山東昭子参議院議長(77、東京都、無所属)が、連邦議会上院の招待による公式訪問及び政治経済事情等視察のため、9日~14日に初めてブラジルを訪れた。14日には、サンパウロ市の日系団体代表者らとの昼食懇談会を行い、ジャパンハウス(JH)、日本移民史料館などを視察。夕方には、チボリホテルで報道陣の取材に応じた。
山東議長は、参議院選挙史上で歴代最多となる8選を果たし、昨年8月の臨時国会で議長に選出された。参議院議長に就任した女性は2人目。
今回、参議院の長浜宏之議員、西田実仁(まこと)議員、石井苗子(みつこ)議員、大門実紀史(みきし)議員も同行し、アラブ首長国連邦を訪問後に来伯。ブラジリア、リオ、サンパウロの三都市を訪問した。
午前中に行った日系人との昼食懇談会について、「活躍しているリーダーたちが頼もしい」と感心する一方で、イビラプエラ公園や移民史料館の視察では「病気で命を落とした人も大勢いたと聞いて、皆さんの努力や苦労を考えた」と取材に対してコメントした。
海外在住の日本人が、今年末にジャパン・レール・パス(JRパス)を利用できなくなる事については、「昼食会で日系人の方からも同じ意見を伺った。不公平感がないように環境整備を行っていく必要はある」と言及し、「国としてできる限りの形を整えていくべきだと感じた」と回答した。
日伯間でワーキングホリデー制度を開始してほしいという声が多くの人から上がっていることについては、「青少年の交流は重要。そのような声を受け止め、関係省庁に伝達していきたい」と応じた。
今回の訪問では、ブラジリアで3人の上院議員と面談。元バレーボール人気選手で18年に当選したばかりのレイラ・バロス議員、パラー州出身で労働者党を代表する一人のパウロ・ロシャ議員、パラナ州政界の重鎮であるアシール・グルガッチ議員だ。
リオでは、リオ五輪の開会式が行われたマラカナンスタジアムを視察し、取材では「東京五輪後の施設の使い方を参考にしたい」と語っていた。
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9日~14日に初めてブラジルを訪問した山東昭子参議院議長は、右親指の爪にブラジル国旗、左親指の爪に日本国旗のネイルで報道陣の注目を集めていた。聞けば、山東議長は日本ネイリスト協会の名誉会長でもあり、この来伯のために準備してきたのだとか。また取材の冒頭では、「世界中を旅行して回った母が、イグアスの滝について『素晴らしいの。これを見なきゃダメよ』と言っていた」というエピソードを披露。今回の視察で訪問することができ、「日伯は遠いが、観光で関係を深められたら」ともコメントしていた。こういったブラジルの良さこそ、どんどん発信してほしいところ。