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(映画)問題作「マリゲーラ」、ついに公開へ 軍政時代の左翼ゲリラの英雄

マリゲーラ公開を知らせるポスター(インスタグラムより)

 軍政時代の伝説的ゲリラ、カルロス・マリゲーラの生涯を描いた作品としてかねてから物議を醸していた映画「マリゲーラ」は、公開中止などの憂き目も見たが、5月にようやく公開にこぎつけることとなった。

 「マリゲーラ」はブラジルの国際的俳優としても知られるヴァギネル・モウラが初めて監督を務めた作品で、昨年3月に行われたベルリン映画祭でも好評を得ていた。

 だが、「軍事政権時代の最大の左翼ゲリラ」を扱った作品である上、ボルソナロ極右政権になった後ということもあり、作品完成当時からを「公開できるのか」と懸念されていた。

 この作品はいったん、昨年11月20日に公開されることが決まっていた。11月はマリゲーラの死後50年となる上、20日はブラジルの多くの市が「黒人の意識高揚の日」として休日に定めているため、母親が黒人でもあったマリゲーラの作品を公開するのに適した日として選ばれた。

 だが、配給先のO2フィウメスが、公開の2カ月前にこの日の公開を断念した。

 公開を断念した理由は、国家映画庁(ANCINE)からの100万レアルの融資を得るための諸条件を満たすのが困難と説明され、ボルソナロ政権がこの映画の公開に難色を示していることがうかがえた。その後、この作品が公開されるかどうかは微妙なものとなった。

 だが16日、この映画のインスタグラムでのオフィシャル・サイトが「5月14日に公開決定」との投稿を行った。

 それによると、新たな配給先となるパリス・フィウメス社の協力により、公開実現が可能となったとのことだった。

 ただ、まだ公開まで4カ月。極右の国民による公開反対運動も予想され、公開予定日まで予断を許さないというのが現状だ。(16日付G1サイトなどより)