大統領府社会通信局(SECOM)のファビオ・ワインガルテン局長が、自身の企業を通じてテレビ局や広告代理店から賄賂を受け取っていた疑惑が生じている。16日付フォーリャ紙が報じている。
SECOMは連邦政府や関連機関の広告予算を管理する部署だ。ワインガルテン氏は昨年4月に局長となった後、自分が共同経営しているFWコムニカソン・エ・マーケティング社を通じて金銭を授受していた疑惑が浮上している。
その中には、バンデイランテス局やレコルデ局など、地上波の大手局も含まれている。
たとえば、バンデイランテス局の場合、2019年はFW社に対し毎月9046レアル(年10万9千レアル)の支払を同社に行っている。
バンデイランテス局は2019年、連邦政府が地上波局業界に割く広告の割合を、2018年の9・8%から12・1%に上げている。
また、同様に支払を行っているとされているレコルデ局も、その割合が23・6%から27・4%に上がり、連邦政府が割く広告のテレビ業界1位となっている。
SBT局の割合も、22・5%から24・7%に増えている。
その一方で、ボルソナロ大統領は、従来は業界1位だったが大統領と対立するグローボ局に対する広告の割合を、前年の24・5%から13・4%に激減させた。さらに、政権や政策擁護のためのインタビューを、ラチーニョ氏(SBT)やダテナ氏(バンデイランテス)に託すなどの戦略もとっている。
さらに、FW社は広告の大手3社(アルチプラン、ノヴァ/SB、プロペグ)にも毎月4500レアルを支払わせていたことが判明している。
アルチプランは昨年8月、1億2730万レアルの契約金でSECOMとの間の契約延長を行った。調印はワインガルテン部長が行っている。
また、今年1月には、社会経済開発銀行(BNDES)が、ノヴァ/SB、プロペグとの契約を更新した。両社は、保健省や観光省との契約も更新している。
なお、FWの株式の95%はワインガルテン部長が保有している。
同件は15日付フォーリャ紙電子版で第一報が流れており、ボルソナロ大統領はその直後に緊急会議を行い、ワインガルテン部長の処遇について話し合った。
連邦議会はすでにワインガルテン氏の辞任を要求しており、大統領府倫理委員会や連邦会計調査員(TCU)は調査の意向を示している。
ワインガルテン氏は昨年4月にSECOMの部長に就任する直前、ボルソナロ大統領のイスラエル来訪に突如随行して話題となった。それ以前の同氏はSBT局への勤務経験はあったが、通信界では無名の存在だった。