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沖縄移民研究塾=『群星』5号、合評会2月1日=節目記念して内容盛りだくさん

来社した高安さん、宮城さん、嶺井さん

来社した高安さん、宮城さん、嶺井さん

 ブラジル沖縄県人移民研究塾(宮城あきら塾長)が発行する同人誌『群星(むりぶし)』第5号が昨年10月に刊行された。日本語・ポルトガル語の両語。本紙編集部やブラジル沖縄県人会本部にて無料配布中だ。

 節目となる第5号の発刊記念として、宮城編集長への特別インタビューを掲載。塾創立から5年が経ったことを受け、これまでの内容の成果を総括しつつ、今後の方向性を模索している。

 「埋もれた歴史の発見」では、高良アレシャンドレさんによる「忘れがちな歴史の一幕」を掲載。若い頃に沖縄社会から抜け出し、ブラジル社会で活躍した二世が、70歳を越えてから沖縄社会へ回帰した心境を描いた興味深い文章だ。

 「私の意見と提言」の項では、移住者なら一度は考えたことがあるであろう「ニッケイであること」、「日系アイデンティティ」についての意見が次々に述べられ、読み手に考えさせる。

 「ウチナーンチュ企業家探報記」では、ボリビアから企業使節団が来伯し、ビラカロンで最も成功したうちの一人である照屋勇さんの事業を視察した時について描かれている。そのほか、盛りだくさんの内容だ。

 宮城塾長、高安宏治さん、嶺井由規さんは「『群星』を読んだ人から『涙が出た』という声を頂いたり、無料配布だが寄付をくださる人もいてありがたい。今後も新しい試みを色々と行っていきたい」と意欲を語っている。

 今号の感想や批評を言い合う「合評会」が来月1日(土)午後2時から沖縄県人会本部(R. Dr. Tomaz de Lima, 72)の2階会議室で行われる。当日は沖縄芸能のショーやドキュメンタリー映画の鑑賞会も合わせて開催する。

 問い合わせは同県人会(11・3106・8823)まで。

 

 

□大耳小耳□関連コラム

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 ブラジル沖縄県人移民研究塾の宮城あきら塾長は、今年初めにNHK国際放送で流されたサントス強制退去事件を扱った番組『語られなかった強制退去事件』に出演していた。放送の反響は大きく、「大勢の方から『見たよ』と声をかけられて驚いた」とのこと。次に発刊する第6号でも強制退去者の証言を引き続き掲載するために、今も調査を行っている最中だという。連邦政府への謝罪要求運動も継続中。本紙でも引き続き報道していく予定なので、沖縄系以外の方でも強制退去させられた経験を持つ人がいたら、ぜひ編集部(11・3340・6060、有馬、深沢)まで連絡を。