ブラジル中銀は、昨年1~11月は、ある銀行で不動産関連の融資を受けた消費者が、別の銀行からより低利の不動産融資を受けて、融資を返済しようとする借り換え行為が14億6千万レアルに上り、2018年の同じ期間の2・7倍以上になったと発表した。20日付現地紙が報じている。
19年11月に不動産融資の借り換えを行った人は1094人で、借り換え総額は18年11月の4・6倍以上となった。
低金利時代に入り、各行が借り手を集めるためにいかに有利な不動産融資プランを提供するかで競争していることが、借り換え増加につながっている。うまく行うと、1回当たりの返済額を減らしたり、より良い条件で融資を受けられるようになったりする。
2014年11月の不動産融資の年利は平均で9・3%だったが、19年11月は7・2%まで落ちた。
不動産融資は長期にわたるため、銀行と消費者の関係も長続きする。また、融資返済が完了するまでに別の商品を利用してもらえる可能性も高まるため、各銀行は、積極的に自社の不動産融資プログラムへの借り換えを勧めている。
金融数学の専門家ジョゼ・ビエイラ・ソブリーニョ氏は、「金利の低下はもちろん影響しているが、銀行が強く勧誘していることも大きい。消費者は、住宅ローンを組んだ銀行で、その他のローンなどを利用したがるもの」と語る。
消費者側の選択肢が広がる傾向は今年も続き、2020年も借り換えは増え続けるだろうと現地紙は分析している。