スマホのアプリを利用した、温かい料理が手頃な価格で自宅に届く食品宅配サービス。ここでは前回に引き続きアプリの使い方の説明と、記者が実際に商品を注文した際の体験を紹介する。
食品宅配サービスを利用した際の支払いは、受取時に現金で精算することもできるが、カード払いに設定すれば、自動で決済が行われ、受取時に金銭のやり取りが発生しない。釣り銭がないなどのトラブルを回避できる。
スマホの画面には配達予定時刻と共に「店が商品を準備している」「配達員が商品を届け先に配送中」という旨の進捗状況が順々に表示され、画面上の地図で配達員が今いる場所も確認できる。
配達員が届け先に近付いてくると、スマホに通知も表示されるため、配達のタイミングを気にしてじっと待つ必要はなく、家事をするなど効率良く過ごせる。忙しい人にも便利だ。
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「家から出ることなく、食材を揃えることも調理することもなく、温かい料理を低価格で食べられる便利な食品宅配サービス」――しかし、トラブルにもしばしば遭遇する。記者が利用した中で、実際に起きた出来事を紹介する。
記者はサンパウロ市アクリマソン区在住で、主に「Uber Eats」を使う。これまでに40回ほど利用し、大半は商品の品質、価格、配送サービスに問題はなかった。
具体的な利用例では、米、フェイジョン、肉料理、パスタ麺、生野菜の一般的なブラジル料理定食を注文。これが配送料などを全て含め、たった約12レアル。一例にすぎないが、自宅周辺のバールで同じ価格のものを見つけるのが難しいぐらい安い。
注文した店はセントロ地区(旧市街地)にあり、注文から家に届くまでは30分ほど。生野菜は別の容器に分けられ、米や肉料理はまだ温かかった。味も一般的なバールの品質で、価格からみれば十分に満足できるものだった。
ピザを注文した際には、1枚で約22レ。注文時に大きさが分からず、ピザにしては手頃な値段から一人で食べられる小さなものと予想したが、届いたものはかなり大きく、大食漢を自認する記者でも完食できなかった。
別の機会には友人と2人で、サーモンの握りずし、あぶり軍艦、ホットロール、刺身が42貫入った詰め合わせを約45レで購入。
届いたすしは全体的に小さく、握りずしの具材は透き通りそうなほど薄かった。鮮度に問題はなかったが、注文時の商品画像はもっと上質そうに見えたため、騙されたように感じた。
別の店でブラジルの一般的な定食を注文した際には、平らな容器が袋の中で横に立てた状態で届けられ、フェイジョンが容器から袋の中に漏れ出していた。配達員は商品を手渡すとすぐに去ってしまい、店か配達員かどちらのミスかは分からなかった。(つづく、岡本大和記者)
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便利な食品宅配サービスを利用した際の出来事を紹介したが、小さなトラブルはしばしば起こる。例えば「商品にソースも添える」と説明の表示がありながら届いた包みに入っていなかったことや、ブラジル料理の定食で「com batata frita(フライドポテト入り)」とあったが、実際に届いた商品には、「数本」がフェイジョンに載っていただけのことも。このような小さな不満であれば、店やアプリ会社に問合わせるのも面倒で我慢することが多い。商品の到着後には、店や商品に対する評価ができ、店を選ぶ際は利用者の評価の平均値が見られるので、店選びではそれを頼りにするしかないか。