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サンパウロ州サントス市=市立水族館でネコザメ誕生=四つの卵の内、三つが孵化

観察し易いようにしつらえた特別な水槽の中で孵化を待つ卵(Rogério Bonfim/Prefeitura de Santos)

 同水族館でネコザメのつがいを飼い始めたのは、2019年8月。水族館側が海水3千リットルが入る水槽を用意して観察を続けたところ、サメ達が交尾を始め、卵を産んだ。

 同水族館ではこれまでも、ペンギンなどの館内繁殖に成功しており、ネコザメの繁殖にも期待がかかっていた。

 水族館は、卵の成長や孵化の様子を観察するために特別な水槽をしつらえ、水温や水の循環などに気をつけながら、毎日の観察を継続。受精卵は全部で六つで、最初に受精して胚が育っていた四つの卵の内、三つが、18日と19日、23日に孵化した。子ザメの性別は雄1、雌2だという。

 水族館員によると、胚が栄養をとるためのvitelo(黄身)が全てなくなった時点で孵化が始まったという。

 三つの卵の内、一つは自力で孵化したが、あとの二つは自力では卵殻を破れなかったため、水族館員が卵殻の端を少し切り、孵化を助けた。

 孵化したばかりのネコザメは、体長9センチ、重さ7グラムで、経過は順調だという。もう一つの受精卵は、近日中に孵化する見込みだが、少し遅れて産み落とされた卵が孵化するのは2カ月後の見込みだという。

 水族館員らは、「館内でのネコザメの孵化は初めてで、産卵から孵化に至るまでをつぶさに観察できた。ネコザメの生態はあまり知られていないが、これからは成長の様子も細かく観察する事ができる」と喜んでいる。

 生まれたばかりのネコザメが公開されるのは1カ月後の予定だ。誕生したばかりの子ザメは体内に蓄えた栄養素があり、餌を必要としないが、1週間もすれば、経口食が必要となる。子ザメの口は1センチ程度と小さいため、水族館員らは「最初は魚や海老を小さくして与えてみる。どんな餌なら食べるかを確かめながら種類を増やし、普通に食べられるようになったら、親のいる水槽に移す」と語っている。

 ネコザメは日本近海を含む東南アジアに生息するサメで、猫のように夜行性。目を保護する膜も持っている。(22、23日付G1サイトより)