旅行会社トレンディ・ツーリズモ(関根いつ子社長)は、サンパウロ市カーニバルに出場できる同社旅行プラン「2020カーニバル出場ツアー」の一環で、サンパウロ人文科学研究所の細川多美子常任理事を講師に招き、カーニバルやサンバに関する講習会を15日午前、サンパウロ市の『ブンバ!』編集部で開催した。
講習会には駐在員夫人ら同ツアーの参加者15人ほどが参加。細川さんの説明に聞き入り、サンバで使われる楽器の演奏を体験した。
細川さんはサンバの定義を「世界的には音楽やリズムの種類で、ブラジル国内では歌、演奏、踊りが伴う民俗芸能を指している」と説明。
現代のサンバの形に洗練されてきたのは1900年代になってからで、ブラジルが植民地にされて以来、アフリカや欧州の音楽が混合し、モジーニャ、ショーロ(いずれも音楽の種類)などを経て進化してきた。
ほかカーニバルのコンテストの歴史やカテゴリー制、採点項目、サンバチームの構成などを写真や動画をまじえて紹介。「カーニバルに出場すれば、輝くライトと道の両側いっぱいに入った観客の歓声を浴び、スターになった気分を味わえる。ここに中毒性がある」と醍醐味を語った。
参加者は驚嘆し、笑い声を上げながら説明を聴いた。パンデイロ、スルド、ショカーリョなどの楽器の説明を受け、演奏体験を楽しんだ。
夫の駐在に伴いブラジル滞在中で、講習会に参加した大木里美さんは「カーニバルに出場する前に話を聞けて良かった。カーニバルをより楽しめそう」と感想を述べた。
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カーニバルに関する講習会で細川多美子さんは、「サンバチームは毎年テーマ、衣装、山車を変えるので、その年のカーニバルが終わった瞬間に衣装はごみになってしまう。カーニバル会場の道端に捨てて帰る人も多い」と話した。サンバチームには4千人以上を抱えるものもあり、捨てられる衣装も膨大な量になる。細川さんによると「カーニバルが終わると道端にはほとんど衣装は残っていない」とのこと。下位カテゴリーのチームの人が集めてバラバラにし、翌年のパレード衣装に作り直すとか。意外なところにリサイクル精神があふれている?!