25日未明に不法滞在のブラジル人70人をチャーター機で送り返した米国政府が、2日後の27日、ブラジルに対し、ブラジルから米国への不法移民の流れを止めるために、より思い切った行動をと求めた。28日付ブラジル国内各紙が報じた。
米国市民権・移民局の副長官代理を務めるケン・クッチネッリ氏は、ブラジルからの不法移民はここ数年で増えているとし、トランプ政権も、米国と親密な同盟国であるというのなら、自国民が米国に不法に入ることをブラジル政府が止めることが重要とした。
クッチネッリ副長官代理は、「ブラジル人不法移民の数は増えている。ブラジル政府にはこれまでよりも力強い対策をお願いしたい」と語った。2019年にはおよそ1万8千人のブラジル人が、米国に不法入国を試み、逮捕された。
同副長官代理は、「米国からみて、大西洋の反対側の国々、欧州やアフリカから、ブラジルを通って米国に入ろうとする人の流れが存在する。ブラジルには国境警備をもっとしっかりしてもらいたい」とまで語っている。
副長官代理はさらに、ブラジル人送還の費用をブラジルが持つことも求めている。25日にブラジルに着いた70人の強制送還者の旅費は米国持ちだった。