今年はパラナ州・兵庫県姉妹提携50周年――パラナ日伯文化連合会(鈴木エドアルド会長)は「第52回定期総会」を26日、パラナ州ロンドリーナ市の同連合会会館で行った。州内各地の傘下約55支部から、代表者約120人が出席し、同連合会の運営に関する提案が行われた。ほか昨年度の事業・会計報告、今年度の事業計画・予算案を発表した。州県提携50周年のロゴマークも総会で配られ、イベントや記念事業も順次、実施される予定。
総会では、兵庫県ブラジル事務所(永田展之所長)からパラナ州・兵庫県姉妹提携50周年のロゴマークが印刷された書類が配られ、利用したい企業や団体に許諾を与える機関の連絡先が記されている。パラナ州政府から今後正式なロゴマーク発表が行われる予定。
ロゴマークには、パラナ州を代表するアオサンジャクとパラナ松、兵庫県を代表するコウノトリと野路菊が散りばめられている。同50周年に関わる日系団体や州政府のイベントで使っていく。50周年記念行事としては音楽コンサートに加え、8月か9月に50周年式典も開催される予定だという。
総会ではまず、各支部から集まった代表者らが、同連合会の運営に関する提案を行った。同連合会は赤字経営が続いており、若者の活動への誘致も課題となっている。
提言では、食に関するイベントを各団体で開催し、収益の一定割合を同連合会に寄付する案が出た。マリンガーでは「スキヤキ会」を試しに開き、夏の暑さと食材の価格高騰という悪条件の中、利益を出すことに成功したという。各地の会館の使われていない建物や部屋を賃貸するなど様々な案を共有した。
あいさつを述べた鈴木会長(73、三世)は「会長に就任して1年、パラナ州中を回り、時にはサンパウロ州、首都、日本にも足を運んだ。皆さんの支援で様々なことを実行でき、多くの経験が得られた。協力してくれる皆さんに感謝したい」と謝意を示した。
西森ルイス弘志連邦下議(70、二世、共和党)は「本年は日伯修好125周年、東京五輪開催、パラナ州・兵庫県姉妹提携50周年など節目の年で、日伯交流もより活発になると思う。パラナ州の日系団体は他にない素晴らしい活躍を続けている。本年は皆で力と心を合わせて、今まで以上に活動を展開してほしい」と期待を語った。
昨年度の会計報告は12万893・09レアルの赤字。本年度予算は約45万レとなった。
当日は、在クリチバ日本国総領事館の木村元(きむら・はじめ)総領事が1月から駐モザンビーク特命全権大使に栄転した関係で、若枝一憲(わかえだ・かずう)首席領事が出席した。
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パラナ日伯文化連合会の総会では、昨年度の主な行事として次の発表があった。1月の「定期総会」で鈴木新会長ら新役員を選出。同連合会の前身となるパラナ日伯文化連合会とパラナ文化運動連盟がそれぞれ50、70周年の節目を迎え、2月には記念式典を挙行。6月はパラナ日本移民センターで「ブラジル日本移民111周年パラナ開拓先亡者追悼慰霊祭」。日本の演歌歌手三山ひろしがアサイ市でコンサートを開いた。10月には、日本で「即位礼正殿の儀」があり、鈴木会長が在ブラジル日系人の代表の一人として招待を受け訪日し、参列した。今年は姉妹州県イベントが開催される関係で、より多忙になりそうだ。
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パラナ日伯文化連合会の総会では、出席者が同連合会の運営に関する提案を次々に行った。ある出席者は記者に「州全体の日系団体を束ねる連合会が存在し、その傘下の代表が一同に介して運営を議論する場があるのは、パラナ州ぐらいでは」と話した。実際には、マット・グロッソ・ド・スル州は日伯文化連合会、首都にもブラジル中西部日伯協会連合会、リオデジャネイロ州が日伯文化体育連盟会長、パラー州にはアマゾニア日伯協会という実質的な連合会があるなど、州単位で活動しているところは多い。ただしサンパウロ州にはそれがない。ブラジル日本文化福祉協会は「ブラジル全体の日系団体を代表」という肩書きになっているため、逆に足元のサンパウロ州の連合会がない。パラナにならって、サンパウロ州連合会を作る動きがあっても良いかも。