ボルソナロ大統領からの連邦政府の文化局長就任依頼を承諾して話題となっている国民的女優、レジーナ・ドゥアルテ(72)。1960年代から50年以上にわたり、ブラジル国内で主演級の女優をつとめ、「ブラジルの恋人」との異名までとったが、そんな彼女は今、芸能界内での不人気ぶりに直面している。
圧倒的な左派支持で知られるブラジル芸能界の中では、保守派というだけで目立つ存在になるが、それに加えて、芸能界の左派勢力と半ば対立関係にもあるボルソナロ氏を熱心に支持したという理由だけで、政治経験もないまま文化局長に選ばれたレジーナに今、逆風が吹いている。
事の発端は、レジーナが1月31日にSNSにあげた、フォロワーたちに感謝を示すコメントだ。彼女はこのコメントを「自分を支持してくれる10人の芸能人たち」の写真と共にあげたが、これにケチがついた。
最初に不満の声をあげたのは、かつての共演者で女優のカロリナ・フェラスだ。掲載直後に、彼女が言った、「ちょっと。私、ボルソナロに投票なんてしてないんだけど」という音声がワッツアップ上で流れたのだ。
すると、写真を掲載されたほかの人たちも不満の声をあげはじめた。女優のマイテ・プロエンサは、「私も嫌だったわ。あの政権のことを前向きに評価したことなんてなかったのに」と、自身のSNSで本音を吐露した。
また、俳優のルイス・フェルナンド・ギマリャンエスも、「レジーナ。君が文化普及のために尽くそうとする姿勢や、将来の文化局長としての仕事は支持するよ。でも、僕は今の政権を支持する気にはなれないんだ」として、同じく写真掲載への不快感を示した。
続いて、女優カルラ・ダニエルも「はっきりさせておきたいのは、あなたの勇気と文化への愛は支持したいの。でも、それと政府への支持は丸っきり別よ」と思いをつづった。
ベテラン俳優のアリ・フォントウラはSNSのフォロワーから、「あなたはレジーナとあんなひどい政府を支持するのですが。仮にも軍事政権の日々を体験したあなたのような方が」との投稿を受け、「支持なんてしていませんよ」と、対応に追われていた。
これらの批判を受け、レジーナは翌1日に投稿を削除した。(1日付UOLサイトより)