ブラジル地理統計院は4日、昨年12月の月次工業調査(PIM)を発表。これにより、2019年の年間工業生産高は、18年比で1・1%減だったことが分かった。5日付現地各紙が報じている。
昨年12月の工業生産は、前月比で0・7%減、前年同月比では1・2%減だった。
17年は2・5%増、18年は1%増と、2年続いた前年比での工業生産高増加は19年で途切れた。
19年11、12月の工業生産は、2カ月連続で前月の実績を割り込んだ。これにより、8~10月の3カ月間続いた前月比増による累積増加分は相殺された。
IBGEの工業関係調査部門長アンドレ・マセド氏は、10月までは、需要増が確実な11月末のブラックフライデーに向けて生産が増えたが、11、12月はストックが捌ききれず、減産になったと見ている。
工業生産を26部門に細分した中では、16部門が前年比減で、10部門が前年比増だった。
特に、19年1月に発生したブルマジーニョの鉱滓ダム決壊事故の影響は大きく、「鉱業」は前年比9・7%減で、最大の下げ幅だった。次に下げ幅が大きかったのは、「機械、設備の整備、修理、設置」(9・1%減)だ。反対に、「金属製品」は5・1%増で最も伸び幅が大きく、「飲料」の4%増が続いた。
「食品」は1・6%増で、部門別の伸び率では6位だったが、19年の工業全体の落ち込みを食い止めるのには最も貢献した。