全伯ゲートボール大会についても、昨年まで並行して行われていたリーグ戦を、今年から上級と初級のA、B2リーグに分け、初心者もより楽しめる仕組みにしている。
以前にも2リーグ制を採用していたが、18年の世界選手権大会がブラジル開催で多忙だったことから、ここ数年は単独リーグだった。
若い役員が増えたことで大会にも最新機器を導入した。今まで手書きで試合経過を記録していたが、タブレット端末を導入したのだ。試合結果や各チームの総合順位などが、より早く分かるようになった。
現在、同連合は連邦政府に「連盟(confedera ção)」としての認可を受けられるよう働き掛けている。連盟の認可は国が「正式な競技」として認めることを意味し、国・州の支援を受けやすくなり、普及活動も行いやすくなる。早ければ今年中には認可される見通しだ。また「日系人だけでプレーしていると非日系人は『日系の競技』と敬遠して入ってこない」のだという。
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ブラジルゲートボール連合(UCGB/萩尾勝巳ジュリオ会長)は、若手を中心とする役員を筆頭に、様々な策を投じ、若年層の競技人口も増加している。そんなGBを楽しむ人は何をきっかけにやって来るのか。1月にサンパウロ市で開催された大会で参加者に話を聞いた。
加島(かしま)ロベルトさん(55、二世)は、友人の父がGB愛好家で、自宅にコートを備え、そこで友人の父にGBを教わり、5年ほど前から競技を始めた。以前から柔道も習っており、黒帯の実力者だが「今ではGBの方が楽しい」と顔をほころばせる。
「他の競技よりも、人と仲良くなれる。意外だったがGBは規則や礼儀に厳しい。でもそのおかげで、皆が対等な立場で相談やけんかをしながらプレーできる」と魅力を語った。
宮崎静枝(しずえ)セシリアさん(69、二世)はGB歴9年。「義理の兄が競技をやっていて、競技用具をプレゼントされたことから始めた。大会があちこちであって、行く先々で色んな人と知り合えるのが楽しい。友人を作るのが一番の健康法」と話した。
同連合の役員で審判部長を務める川上(かわかみ)ダニエルさん(38、二世)=サンパウロ州カウカイア・ド・アウト在住=。サンパウロ州アララクアラ出身で、GBの熱狂的ファンだった父に、幼少期に大会へ連れていかれ、以降競技を続けている。サッカーや陸上競技もしていたが、今でも続いているのは不思議なことにGBだけだ。
「競技中にチームプレーで戦略を立てるのが面白い」という。「当時のアララクアラでは同世代が少なかったが、今住んでいるカウカイアでは、同世代の仲間がいる」と楽しげに話す。
他の参加者にも話を聞くと、「幼少期に親や祖父母に大会に連れられてGBを教わり、大学入学などを機に離れたが、30~40代になって仕事など生活が落ち着いてきたからまた始めた」という人も多い。
萩尾会長も子どもと孫らを引き連れ、選手や応援団として家族総出で大会に参加する。
GBの魅力は、頭を使ってチームプレーをし、家族や友人とのつながりを感じられるところにあるのかもしれない。(終わり)