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ウィーン名物シュトュルーデルならここ!=「ドッサリア・フィスシェール」(Doçaria Fischer)

ウィーン名物「アプフェルシュトュルーデル(Apfelstrudel)」

 ウィーン名物「アプフェルシュトュルーデル(Apfelstrudel)」をサンパウロで食べるなら、ここ! メトロのアウト・ド・イピランガ駅横のケーキ屋「フィスシェール」だ。ブラジル名「Bolo de Maca com Nozes」で売っている。

 「シュトュルーデル(strudel)」とは、極薄に伸ばしたパイのこと。それで、甘く煮たリンゴをクルクルと巻いて包んで焼き上げたものだ。リンゴは甘さ控えめで、パイ生地がとても味わい深い。

 頼めば、生クリームを横にのせてくれる。上品で美味しいオーストリア名物のアップルパイだ。店内で一切れ味見しながらコーヒーも楽しめる。

 バナナとカスターニャ・ド・パラーで作ったブラジル風シュトュルーデルも。一本丸ごとで29・90レアル。

 ほかにドイツ菓子パン「シュトレン」(Stollen)も。酵母の入った生地にレーズンとレモンピール、ナッツを練り込んで焼き上げたケーキに粉砂糖をまぶしたもの。

フィスシェールさんの肩には国旗二つ、正面の上部には家紋

 というのも店主アルフレッド・フィスシェールさんはオーストリア系二世。父がスイスやドイツとの国境の町ブレゲンツ出身。19歳で第2次大戦に出兵した父は、終戦直後の1946年、荒廃した祖国に見切りをつけ、同胞がいるブラジルへ来た。

 祖国で学んだケーキを作る技術を活かして、父が62年6月にこの店を創業、それを79年から引き継いだ。だから本場オーストリア仕込みの味が楽しめる。

 他にいちごケーキ、ミルフィーユ、ハンガリー風カラメル・ケーキ、ナッツいりクリーム・エクレア、チョコレート・エクレアなど27種類のケーキ類も。コシーニャなどのサウガード類は18種類。ベジタリアン用のパウミットやジャッカのコシーニャも。聖市内であれば配達もする。

 「ボクは甘さ控えめが好き。でもお客さんの好みに合わせて作る。1、2日前に注文してくれれば特注ケーキを作れる」とフィスシェールさん。

 コック服の肩にはオーストリアとブラジルの国旗が小さく並び、店内の入り口右側の壁には父の故郷ブレゲンツを描いた油絵、正面上部にはフィスシェール家の家紋が鈍い光を放っていた。移民の誇りとこだわりが味に込められている。(2020年2月7日付ページより再掲載)

店員全員と記念写真

Doçaria Fischer


Eleita pela revista Confeitaria Brasil as 100 Melhores Confeitarias do Brasil 2013

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