ホーム | ブラジル国内ニュース | サンパウロ大都市圏 大雨で大パニックの10日 川氾濫でサンパウロ市は水浸しに 食産業でも大損害避けられず 内陸部では4人が死亡

サンパウロ大都市圏 大雨で大パニックの10日 川氾濫でサンパウロ市は水浸しに 食産業でも大損害避けられず 内陸部では4人が死亡

ボトゥカトゥでの被害(Govesp)

 10日にサンパウロ大都市圏を中心に降った大雨は、チエテ川やピニェイロス川の氾濫や各地での洪水・冠水を引き起こし、死者4人を出す事態となった。また、サンパウロ州食料保管センター公社(CEAGESP)では保管されていた青果などが全て水に浸かり、大打撃を受けるなど、サンパウロ市民、サンパウロ州民の生活に大きな影響を及ぼしている。10~11日付現地紙、サイトが報じている。

 9~10日の大雨は記録的で、サンパウロ市の場合は24時間に降った雨としては史上8番目と報告された。この雨で、2月に入ってからの10日間の雨量は既に、77年ぶりとなる月間降水量を記録するに至っている。

 また、サンパウロ大都市圏では、最大水系のカンタレイラ水系の水位が1日で1・3%ポイント、コチア水系では4・1%ポイント上昇するなど、異例の動きがあった。

 サンパウロ大都市圏内の消防隊は10日の午前0時から15時までに、救出依頼などの電話を7650件以上受けた。夕方までの通報は、洪水・冠水978件、土砂崩れ169件、倒木195件などとなっている。

 マルジナル・チエテでは、チエテ川の氾濫により、トラックでさえ、窓の高さの半分まで水に浸かる状態となった。また、急激な増水で陸の孤島状態となった人が多く、各地で救出作業が行われた。

 この大雨ではCPTM8号線と9号線の運行が止まった。9号線レオポルジーナ駅に近いCEAGESPでは、青果などが水浸しになり、2400万レアルの損害が生じた。市場は11日も清掃のために閉鎖され、水に浸かった商品を埋立地に運ぶトラックだけが出入りしていた。

 また、この大雨でスーパーやショッピングなどの一時休業も相次いだ。州内の商業界の損害額は最低でも1億4千万レアルと見られている。

 サンパウロ市インフラ局のヴィトル・アリ局長はチエテ川やピニェイロス川の氾濫について訊かれ、「市の洪水対策は機能している」と反論した。だが、サンパウロ市ではジョアン・ドリア氏(現サンパウロ州知事)とブルーノ・コーヴァス現市長の下での水害対策費の支出額が予算を大幅に下回っていた(19年の場合は17%など)と報じられている。

 また、内陸部では、サンパウロ市から北西235キロのボトゥカトゥのカピヴァリ川で11日朝、女性2人の遺体が発見された。2人の遺体は川の氾濫で流された車から150メートル離れた場所で発見された。消防は夫婦と妻の妹が乗っていた車と見て、男性の行方を捜しているが、11日午後3時現在も行方不明のままだ。同市では10日も、州道300号線にできた陥没箇所に落ちて流されたトラックの運転手が遺体で発見されている。

 また、サンパウロ市から433キロ北西のジュリオ・メスキッタでは、州道333号が陥没し、トラックと自動車が1台ずつ落ちた。トラック運転手は脱出に成功したが、自動車の運転手は11日朝、遺体で見つかった。