米国政府=ブラジルを途上国リストから除外=「対等な貿易関係」を要求=中国狙い撃ちのとばっちり?

米国政府は10日、ブラジル、アルゼンチン、インド、コロンビア、南アフリカ、中国など合計19カ国を「開発途上国」リストから外すことを決定したと、10、11日付ブラジル紙・サイトが報じた。
開発途上国リストに入っていた国々は、米国産製品と競合する品物に補助金を出しても不問とされてきた。
しかし、今回の措置により、リストから外された国々が不当な補助金政策を行っていないかどうかを米国が調査することも容易になり、行き過ぎた補助金政策を行った場合は、米政府から報復を受ける。
開発途上国リストに入っていた国々は、そうでない国々に比べ、「対米通商関連合意を実施するまでの猶予期間がより長い」、「関税優遇」、「米国市場へのアクセス優遇」などの恩恵を受けてきたが、それらもなくなる。
米国政府は、「それぞれの国の経済、貿易、発展レベルや、世界貿易市場で獲得しているシェア、G20に入っているかどうか、などを考慮した上での決定。乳児死亡率や、非識字率、出生時平均余命(平均寿命)などの指標は考慮していない」と発表した。
これまでは世界経済全体の貿易市場において、2%以下のシェアしか持たない国々を「開発途上国」としてきたが、これも「0・5%以下のシェアしか持たない国々」に変更された。
また、米国政府は、「経済協力開発機構(OECD)加盟を望んでいることも、途上国リストからの除外を決定する一因となった」とも発表した。
ブラジルのボルソナロ大統領は、昨年3月に米国を訪問した際、トランプ米大統領にブラジルのOECD加盟を支持するように要請した。トランプ米大統領は、その見返りに、ブラジルが世界貿易機関(WTO)から与えられている優遇措置を手放すように要求し、ボルソナロ大統領はそれに従った。
ブラジルの外交官は、「リスト除外措置は、(ブラジルなどが自国製品に)補助金を出しすぎていないかを米国が調査する際の補償措置の計算方法が変わるだけのことだ。国際貿易に関連する重要な問題には影響しない」としている。
また、フォーリャ紙は、「米国の目的の一つは、長年の貿易摩擦相手である中国を狙い撃ちにするため、『途上国』と宣言して貿易競争において優遇を受けてきた国々を一掃すること」と分析している。