長崎県人会(川添博会長)龍(じゃ)踊り部による「第2回龍踊りワークショップ」が、8日午後1時からサンパウロ市リベルダーデ区の東洋会館で催され、約20人の部員が新規希望者10人ほどに指導した。
半数以上を非日系人が占めるなど日本独特の芸能へのブラジル社会からの関心の高まり感じさせた。リベルダーデ文化福祉協会(ACAL)の協力を得て、龍踊り部の青年たちが企画・実行した。昨年に続いて2回目の開催。
川添会長によると龍踊りは300年の歴史を持ち、「長崎くんち」として長崎市の諏訪神社に奉納される郷土芸能。雨乞いの踊りにより、幸運をもたらすという。
2012年の同県人会創立50周年記念式典で来伯した長崎市の田上富久市長から「路面電車」と「龍体」の寄贈話が持ち上がったが、日本からの輸送問題などもあって遅れ、当地では16年頃から練習が始められた。
現在、龍踊り部の活動は3年ほどになるが、ブラジル日本文化福祉協会の芸能祭、ACALの七夕祭りや東洋祭りに出演するなど、日系社会でもすでに定着した感がある。とはいえ、長さ20メートル、100キロの重さがある龍体を10人の龍衆(じゃしゅう)で操るのは体力の消耗が激しく、演技中にメンバーが交代できるようにもっと部員数が必要だ。
川添会長は開会のあいさつで、龍踊りの歴史とこれまでの経緯を説明しながら、「この活動を通じて、県人会を活性化させることが一番の目的。2年後の創立60周年に向けて、その成果を母県の人たちにも見てもらい、今回のワークショップに新しく参加した皆さんに少しでも興味を持っていただければ」と強調した。
続いて部員たちが龍踊りの成り立ちや普段の練習風景を、寸劇を織り交ぜながら披露。石川ラケウ副部長が「大切なのは皆が一緒になって参加すること」と呼びかけ、新規参加者は部員とともにレクリエーションを行ったほか、実際に龍体を持って練り歩く体験をした。
1年ほどセイネン・ブンキョウ(ブラジル日本文化福祉協会青年部)の活動に参加しているという松根(まつね)アケミさん(16、三世)は、「長崎県人会のイベントに参加するのは初めてですが、自分の先祖が(同じ九州の)熊本県なので興味がありました。(龍体は)少し重かったけれど、できれば続けてやっていきたい」と笑顔を見せていた。
□大耳小耳□関連コラム
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長崎県人会龍踊り部の青年たちが考えて、第2回ワークショップで実施されたレクリエーションにより、新規参加者たちは心も体もほぐれた様子だった。運動会で定番の「ムカデ競争」よろしく、縦一列になった参加者たちの足にヒモを結わえてチーム別で歩く早さを競うと、案の定、倒れる人が続出。また「椅子取りゲーム」の要領で、音楽が鳴り止むと会場の片隅に広げて置かれた新聞紙の上にチーム全員が乗っからないといけない遊びでは、回数ごとに新聞紙の面積を縮めていくため、どうしてもチームが一体にならざるを得ない。若者たちが嬌声を上げて楽しむ姿を取材しながら、記者はふと遠い日の青春時代を思い出した。