ボルソナロ大統領は、官房長官をオニキス・ロレンゾーニ氏(民主党・DEM)から陸軍ナンバー2にあたるヴァルテル・ソウザ・ブラガ・ネット氏に交代すべく動き、ブラガ・ネット氏も受諾の意向を見せた。これが実現すれば、大統領府は全て軍人閣僚ということになる。13日付現地紙が報じている。
今回の官房長官就任要請に対し、ブラガ・ネット氏は当初、固辞する姿勢を見せていたという。だが、上司のエジソン・レアル・プジョル大将との会談後、受諾する意向を示したという。
ブラガ・ネット氏はテメル政権時代の2018年、リオ州が治安に関して統治不能状態に陥っているとして、陸軍が10カ月間治安面の直接統治を行った際にリーダーをつとめた人物だ。
この人事により、大統領府を代表する4人の閣僚が全て軍人関係者で固められることになる。ブラガ・ネット氏以外で大統領府を代表する閣僚は、アウグスト・エレーノ安全保障室(GSI)長官、ルイス・・エドゥアルド・ラモス秘書室長官(二人共陸軍出身)、総務室長官のジョルジェ・デ・オリヴェイラ氏(軍警出身)だ。
これに加えて、アミウトン・モウロン副大統領と大統領府広報担当のオタヴィオ・ド・レゴ・バロス氏は陸軍出身、大統領特別補佐官のフラヴィオ・ロシャ氏は海軍出身だ。ロシャ氏は官房長官候補にも名前が挙がっていた人物だ。
この人事は、大統領府内で軍の力が強くなったことを意味するが、それは同時に、軍と敵対している極右思想家オラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏の影響力が落ちることも意味する。
オラーヴォ氏は、大統領次男カルロス氏や三男エドゥアルド氏が信奉していることで知られていたが、その影響力をカルロス・アルベルト・ドス・サントス・クルス前秘書室長官が嫌悪。カルロス氏との確執でサントス・クルス氏が解任される事態も起きていた。
だが、大統領とは旧知の仲のラモス現秘書室長官が就任してからは、同氏が連邦議会との調整役もうまくこなしたことも手伝い、軍の力関係が強くなっていた。
一方、大統領府を追われることになったオニキス氏は、オスマル・テーラ氏(民主運動・MDB)に代わり、市民相への配置転換の可能性が濃厚と伝えられている。エスタード紙によると、市民省では最近、架空の企業を使った、巨額の横流しが疑われる疑惑の契約が発覚したばかりで、12日にはボルソナロ大統領がテラ氏に説明を求めていたという。