国営のブラジル銀行(BB)は昨年第4四半期、前年同期比で20・3%増となる、46億レアルの純利益を計上。2019年全体の純利益は178億レアルで、前年比32%増だったことが分かった。13、14日付現地各紙・サイトが報じている。純利益トップ4銀行の中で唯一の国営銀行であるBBのルベン・ノヴァエス総裁は、「BBが民営化されれば、より自由に、より効率的に経営でき、民間銀行を抜いて純利益1位になることも可能だ。そろそろBB民営化についての議論も始めるべき」と語っている。
2019年に最も大きな純利益を上げた銀行とその額は、イタウ・ウニバンコの265億8千万レアル(前年比6・4%)で、2位がブラデスコの226億レアル(前年比18・32%増)、3位がBBで、4位がサンタンデール銀行の141億8100万レアル(16・6%増)だった。
BBはもともと純利益は165~185億レアル程度になると予測しており、その通りの結果になった。ただし、純利178億レアルというポジティブな結果にも関わらず、13日のBB通常株は前日比1・55%マイナスの、50・81レアルをつけた。
BB発表の会計報告書によると、第4四半期の好結果は、債務不履行を埋め合わせる費用が削減されたことと、サービスの収益が増加したことによってもたらされた。報告書には、従業員の保険プランの見直しで、人件費が増えたことも記されていた。
昨年はBBにとって、資産売却と社内の構造改革が始まった年でもあった。国内各支店の統合や人員配備と総従業員数の削減に加え、BBは昨年末、デジタルバンキングと農業ビジネス融資に焦点を当てた経営再編計画を発表している。
昨年末時点でのBBの貸付総額は6807億レアルで、2018年末と比べて2・6%減少した。これにより、BBはブラジル国内の貸付総額ランキング1位の座をイタウ・ウニバンコ社に譲ることとなった。貸付を対個人、対法人別に見ると、対個人の貸付は1年で174億レアル(8・9%)増えたが、対法人の貸付は241億レアル(10・9%)減った。
昨年第4四半期のBBの純資産は1086億レアルで、前年比6・2%増だった。また、昨年末時点での総資産は1兆4700億レで、前年比3・7%増だった。
BBは今年の純利益を、さらに多い185~205億レアルと予測している。