ブラジル中銀は14日、昨年12月の経済活動指数(IBC―BR)がマイナス0・27%だったと発表した。15日付現地各紙が報じている。
12月のIBC―BRが出たことで昨年全体のIBC―BRも判明。通年では前年比0・89%増で、わずかながらプラス成長を保った。
IBC―BRは“国内総生産(GDP)の先行指数”としても知られるが、工業、商・サービス業、農業と税収だけで算出するため、投資、家庭消費、政府支出、輸出入などもあわせて算出されるGDPとは若干のズレが生じる。
昨年のGDPは3月初旬に出される見込みだが、積み立て退職金(FGTS)早期払い出しなどでゲタを履かせても、成長率は1%程度に止まることが濃厚になったため、今年のGDP成長予測まで下げる金融機関も出始めた。
現地紙が国内28金融機関に行った調査によると、今年のGDP成長率予測は最高2・5%、最低1・7%で、平均値は2・2%だ。現地紙は同じ調査を1月16日にもやっているが、最高値2・8%、最低値1・9%で、平均値2・35%と、全て、今月よりも高かった。
元中銀幹部のアレシャンドレ・シュウォルツマン氏は、「FGTSによる消費活性化効果も、雇用市場の改善も全くないわけではないのに、IBC―BRにつながらなかったのは奇妙。社会保障制度改革承認以降、政府の改革ペースが鈍いことも、IBC―BRが冴えなかった原因では」と指摘した。