ホーム | ブラジル国内ニュース | コロナウイルス=LG社タウバテ工場で集団休暇=擬似症患者の数は5人に

コロナウイルス=LG社タウバテ工場で集団休暇=擬似症患者の数は5人に

擬似症患者の数などに関する保健省の公式発表の様子(18日、Erasmo Salomão/ASCOM MS)

 中国湖北省を中心に拡大が続く新型コロナウイルスの影響が、ブラジルの経済にも及び始めた。
 17日付G1サイトによると、具体的な例の一つは、サンパウロ州内陸部にあるLG社のタウバテ工場だ。
 LG社は韓国企業で、同工場では携帯電話とモニターを製造。金属労組によると、中国製部品の供給が滞り、生産活動継続が難しいため、約1千人の従業員の内、携帯電話の製造担当者らが3月2日から10日間の集団休暇に入るという。
 LG社では、顧客や支援者に与える影響をなるべく小さくするために、状況観察を続ける意向だが、集団休暇期間が延びる可能性は充分にある。
 日本では、コロナウイルスの感染拡大で中国国内の経済活動が大幅に縮小した事で、部品調達を含む生産活動と物流の両面で支障が生じると考える企業が9割に上るとの調査結果が発表された。台湾のパソコン大手ASUS社も、スマホの生産や出荷に影響が出始めた。香港では生活用品が品不足となり、トイレットペーパーの集団強奪事件も起きている。
 ブラジルではまだ、全面生産停止となる例は出ていないが、中国製部品を使用する企業や中国製製品の販売店への影響は避けられない。
 また、サントス沖に停泊していた香港船籍のコタ・ペミンピン号乗組員が風邪のような症状を訴えていた件は、16日にコロナウイルス感染が否定された。同船は17日にサントス港に着岸。全乗組員が感染の有無の検査を受ける手はずになっている。
 なお、空軍機で中国から帰国後、ゴイアス州アナポリスの空軍基地に隔離されている、ブラジル人やその家族、操縦士や医療関係者ら計58人には、17日現在も感染の兆候は出ていない。
 コロナウイルスへの感染が疑われる擬似症患者は、16日に3人に減ったが、18日は5人(サンパウロ州4人、リオ・グランデ・ド・スル州1人)に増えた。感染の疑いが晴れた人は45人で、感染者はゼロのままだ。
 「ブラジルの殺人犠牲者は全世界のコロナウイルスによる死者より多い」として武漢に残ったブラジル人柔道師範は18日、「自宅に篭りきりの生活だが、宅配サービスなども復活し始め、最悪の状態は過ぎた」との表現で感染拡大の勢いが鈍り始めた様子を伝えているが、経済活動再開の時期は見えないままだ。