ブラジル教育省は国内全ての連邦大学、国立教育機関に対し、教授、教員に対する残業手当てや夜間勤務手当ての支払、昇給などを禁止したと18日付現地紙が報じた。
この決定は教育、調査活動に即座に影響する上、法律で定められた教員、職員の権利を侵害しているため、今後、訴訟が頻発する可能性がある。
政府は今年の教育予算は、昨年と同額の746億レアルと想定していたが、議会で承認された予算額は719億レアルに削減された。差額の27億レアル分を節約するため、各機関には2月はじめに、「歳出を極力少なくすることが責務」との書面が送られている。
これにより、教授が学究部門で業績をあげても報奨を払えないし、教職員が健康上の理由で休職しても補充の人員を雇えない。
パラナ州連邦技術大学やサンパウロ州教育科学研究所は既に、各種の手当や報奨の支払い、昇給を無期限停止とした。教育省の決定に従えば、各機関は、定年退職者や病気療養の教職員の補充も出来なくなる。
学長たちは、支払いを即座に止めることは出来ないとして、連邦会計検査院(TCU)に対し、今後どうして行けばよいのか、指示を仰ぎたいとしている。
連邦高等教育機関企画・管理副学長全国フォーラムのコーディネーター、フランクリン・マトス氏は、「教育機関を運営するための法律はそもそも、昇給、定年退職、残業手当などを前提にしており、『払うのをやめろ』と言われても直ぐに止められるものではない。従来の人件費は企画省の管轄だった」と不満を述べている。
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