ブラジル沖縄県人会(AOKB)第83回定期総会とブラジル沖縄文化センター(CCOB)第48回定期総会が、16日午前10時45分からサンパウロ市リベルダーデ区の同本部会館で開かれ、支部代表や会員ら約100人が出席した。
停電の影響で急きょ会館入口フロアで始まった総会は、上原テーリオ第1副会長の司会で進行。上原会長のあいさつに続き、小波津(こはつ)セルジオ第1書記理事が19年度業務報告を行い、毎年の年間行事のほか、昨年12月8日に行われた首里城再建募金イベントなどをポ語で読み上げた。
19年度一般会計決算報告を比嘉幸男(ゆきお)第1会計理事が発表。AOKBは、収入112万3928・64レアル、支出97万5921・81レアルで、前年度繰越金(31万6544・72レアル)を加えた46万4551・55レアルを次期に繰り越し。CCOBは、収入32万3158・91レアル、支出37万9033・43レアルで、前年度繰越金(8万1639・22レアル)を加えた2万5764・70レアルを残高として計上し、ともに承認された。
また、首里城再建募金での収益は昨年12月8日のイベントが5万レアル、今月5日と12日にレストラン「Rancho Rio Doce」で行われた慈善夕食会が5470レアル。そのほか一般からの寄付金などを含めた総計が今月10日現在で17万5330・78レアルだと発表。3月29日には、ブラジル日本文化福祉協会の協力を得て支援イベント開催が決定している。県人会では同支援イベント終了後に、合わせて母県に義援金を送る考えだ。
電気復旧後は会場を当初の大サロンに移動。午後からの20年度審議事項を前に、与儀昭雄氏が議長に選出された。昼食までの時間を利用して、各支部長10人があいさつ。18年度から発足した青年部(1期1年)の新執行部も発表され、新青年部長の嘉数(かかず)ダニーロさん(27、日本生まれ)がメンバーを紹介した。
午後は、20年度行事・事業計画案を上原会長が読み上げたほか、75レアルだった会費を85レアルに値上げすることになった。20年度の予算案は、AOKBが収入40万7500レアル、支出55万レアルのマイナス予算(21年度繰越は32万2551・55レアルの黒字予想)は本部会館のエアコンと電気工事の必要性に迫られてのこと。CCOBは収入20万6500レアル、支出20万1800レアルが承認された。
提案事項の審議では、1978年に完成して以来、老朽化が深刻な本部会館の改修について説明があった。今後、3段階に分けて改築していく予定で、第1段階の工事予算だけで150万レアルがかかる見込み。出席者からは「ウチナーンチュの魂である本部会館を改築して、活動拠点を子孫に残していかなければ」などと賛同意見が多数を占め、全会一致で進められることが決定された。
サントアンドレ支部の宮城あきら氏からは、昨年の総会でも議題に上がった「沖縄連絡南米事務所」についての質問が行われた。上原会長は「まだ母県からは何も連絡が無い」との返答があった。宮城氏は「行動しないと何も動かない。文化交流だけでなく、今後は社会・経済交流も推進する必要があるのでは」と主張していた。
新評議員(正評議員45人、補充評議員15人)のメンバーも発表され、評議員会長は今後の評議員会で決定される。
上原会長は今年の抱負について、「(3月29日の)首里城再建の募金イベントが終了したら、本部会館のリフォームに集中して力を注いでいきたい」と意欲を見せていた。
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沖縄県人会総会の停電騒ぎで活躍したのが、18年度に発足した青年部。急造した入口フロアに所狭しと座る出席者に、率先して飲み水などを配り、先輩方への配慮を忘れなかった。また、昼食時には婦人部手作りの沖縄名物「ソーキそば」と「おにぎり」を手分けして配るなど、フットワークの軽さが光った。今やリーダー格となった上原テーリオ第1副会長も「彼らは勉学や仕事で忙しいので、1期1年の任期ですが、本当に助かっています」とニコニコ顔だった。
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毎年開催されるブラジル沖縄県人会とブラジル沖縄文化センターの定期総会に、最も遠方から出席しているのがカンポ・グランデ支部(マット/グロッソ・ド・スル州)の代表。支部長になって2期目(1期2年)だという金城(かなしろ)エドゥアルドさん(49、三世)によると、同支部には約230家族が在籍し、首里城再建募金についても「自分たちの支部でも奉加帳を作って、少しでも支援している」という。本部、支部を含めた19年度の沖縄県人会と沖縄文化センターの総会員数は1545人。それでも年々、会員数は減少しているそうだが、やはりウチナーンチュの人数の多さと層の厚さを感じずにはいられない。