中南米の日系選手が集まって親睦を深めるスポーツ大会「CONFRA BRASIL HONDA 2020」(Confraternidade Esportiva Internacional Nikkei日系スポーツ親善競技大会)が13~16日まで、サンパウロ州アルジャー市のニッポン・カントリー・クラブを中心に開催され、中南米8カ国から過去最多の1180人が集まって記録を競い、14個の金メダルを獲得したブラジル勢が総合優勝を果たした。14日晩に開催された開会式には、日本の鈴木馨祐外務副大臣が初めて出席するなど、存在感を増した大会となった。
主催するのはUNICIN(Union Internacional de Clubes e Instituciones Nikkei、佐々木ヴァウテル会長)だ。
参加国はブラジル、アルゼンチン、ボリビア、チリ、メキシコ、パラグアイ、ペルー、日本。全選手中、約半数を地元ブラジル勢が占めた。陸上、野球、ボーリング、室内サッカー、ゴルフ、ゲートボール、柔道、空手、水泳、テコンドー、卓球、テニス、バレーの13種目で記録を争った。
14日晩9時過ぎ、サンパウロ市近郊アルジャー市のPL教団聖地内の体育館で開催された開会式では、凝った舞台照明が用いられる中、全選手が国別に整列。大会旗とブラジル国旗が入場して、君が代とブラジル国歌が斉唱され、山田クレーベルソン選手が「日系人の誇りを忘れずにプレーする」と宣誓した。
佐々木実行委員長は「日本との強い絆を確認できる外務副大臣の初出席に心から感謝する。偶然にも東京五輪と同じ年に開催できたことを喜び、良き世界を作るために国境を超えた日系の絆を強め合いましょう」と開会を宣言した。
ブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長は「過去最多の人数となったことを喜びたい。皆さんを歓迎する」と挨拶し、アルジャー市長のジョゼ・ルイス・モンテイロ氏も歓迎の意を表したのに続いて、パンアメリカン日系人協会の末永フェルナンド会長も挨拶し、最後に鈴木外務副大臣が演壇に立った。
「日本人の兄弟である皆さんが南米で活躍されていることを誇りに思う。それぞれの国を良くするために戦いつづける皆さんと、日本は共にあると申し上げたい」と選手たちを力づけた。すかさず聖火トーチを持った女性選手が走って入場し、会場中央の聖火台に点火すると、巨大スクリーンで火が燃え上がる映像が流れ、会場から喝采が送られた。
サンバ隊が入場して来賓も選手も入り乱れて一緒に踊り、聖火台の周りに輪を作ってグルグルと回った。
パラグアイ団体役員の奈良マコトさん(72、二世)は「中南米の日系同士の交流を増やすのが目的で始まった。2011年のパラグアイ大会では参加者が1152人と過去最高を記録した。でも今回はそれを少し上回って一番多い。ブラジル勢の健闘に感服する」と称賛した。2番に多い選手団を送り込んだのはペルーのAelu(Asociacion Estadio La Union)の200人(家族含めて305人)、3番目は次回開催地のアルゼンチンで選手160人と役員10人。
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本紙姉妹紙ニッパキ紙の取材に、「CONFRA BRASIL HONDA 2020」の佐々木実行委員長は「日本のオモテナシの精神を体現すべく、準備に奔走した」と苦労をほのめかせ、ペルー選手団会長の島袋ジミー氏は「例外的といえるほど素晴らしい大会運営」と手放しの称賛をし、アルゼンチンのルカス・コスカレリ氏も「完璧。我々も次回開催地として刺激を受けた。今から準備に気合を入れる」と語っていた。同大会は1968年に開始され、ほぼ2年に一度の割合で開催され、今回は第24回目。次回会場はアルゼンチン。