ブラジル通貨のレアルが史上最安水準を記録する中、ブラジル中銀は21日、1月のブラジル人による国外支出は14億3800万ドルで、4年間で最低だったと発表した。
この額は、昨年1月の16億8900万ドルと比べると、15%ほど少ない。ブラジルでは1月はバカンスシーズンで、レアルが高かった時期には、1カ月の合計が20億ドルを超えたこともあった。
ブラジル中銀の統計部長、フェルナンド・ロッシャ氏は21日、ブラジル人が国外で使う金額は為替相場の影響を大きく受けると語った。今年1月と昨年1月を比べると、ドルはレアルに対して10・9%高騰した。
ロッシャ氏は、「全体的にブラジル人は旅行先での買い物代も、旅費そのものも抑える傾向にある」と語った。
ロッシャ氏によると、2月も同様の傾向が見られるという。2月も既に3分の2以上が経過したが、今月に入ってからのブラジル人国外支出は6億7800万ドルで、昨年の同じ時期の13億ドルと比べると半分近くになっている。
通常なら、レアルの価値が下がれば、ブラジル人は外国旅行での支出を切り詰める一方、国外からブラジルへの旅行客の出費は増える傾向にある。
ロッシャ氏によると、レアル安の時は外国人がブラジル国内で多く出費してくれるのが理想だが、現実はそうはなっていないという。(21日付G1より)