ホーム | ブラジル国内ニュース | 《コロナウイルス》ブラジル初の感染者確認される=サンパウロ市在61歳イタリア帰り=入院前に家族30人と会う=症状は軽く自宅療養措置

《コロナウイルス》ブラジル初の感染者確認される=サンパウロ市在61歳イタリア帰り=入院前に家族30人と会う=症状は軽く自宅療養措置

ルイス・エンリケ・マンデッタ保健相(ブラジル保健省)

 【既報関連】新型コロナウイルス肺炎(COVID―19)が世界中で広がっている中、26日にブラジルでもラテンアメリカ諸国初となる感染者が確認された。25、26日付ブラジル各紙・サイトが報じている。

 感染が確認されたのはサンパウロ市在住の61歳の男性だ。男性は感染が拡大しているイタリア北部を9日から21日にかけて単独で商用で訪れていた。熱やせき、のどの痛み、鼻かぜなどの症状を訴えて、病院に行ったのは24日だ。
 検査で陽性反応を確認したサンパウロ市西部のアルベルト・アインシュタイン病院は、指定の手順に従って、患者の体液(通常はのどの粘液やタン)を、アドルフォ・ルッツ研究所(サンパウロ市)に送った。
 2度目の検査でも陽性と出て初めて、正式な感染確認となるが、翌26日午前11半からの会見で、エンリケ・マンデッタ保健相がブラジル初のコロナウイルス感染を正式に認めた。
 保健省によると、男性の容態は軽く、重篤化はしていない。そのため、自宅で14日間の隔離療養措置となった。
 サンパウロ市とサンパウロ州は、この男性と接触があった人を探すために動いており、国家衛生監督庁(Anvisa)は帰国便の乗客名簿の提出を航空会社に求めている。
 マンデッタ保健相は、「男性が帰国したのは21日で、病院に行ったのが24日。男性はその前の23日に、家族30人と会った」と明言した。
 ブラジル初の患者の確認となったが、政府関係者はコロナウイルス対策に変更はないとしている。政府は、今月3日に「ブラジル領内における公衆衛生上の緊急事態」を宣言。警戒レベルを最大の3に引き上げてもいた。これは医療用器具、資材、薬品を自治体が購入するのに、公開入札を行う義務を省き、手続きを迅速化させるためだ。
 ブラジル初の感染者確認を公表した同じ会見で、保健省は、現在検査中の患者は7州で20人おり、内11人はサンパウロ州在住とした。感染が疑われて検査をしたが感染が否定された人は59人となった。
 ブラジルは21日までに中国、日本、シンガポール、韓国、北朝鮮、タイ、ベトナム、カンボジアの8カ国を警戒対象国に指定していたが、24日には、イタリア、ドイツ、フランス、オーストラリア、フィリピン、マレーシア、イラン、アラブ首長国連邦を加えた。
 対象国からの航空便や船便に乗っており、症状がある場合は、自動的に「擬似症患者」となり、ブラジル入国と同時に検査を受けさせられる。検査の結果も疑いが晴れない場合は強制入院となる。
 また、カーニバル明け初の取引となった市場は、コロナウイルスの影響もあり株式も為替も大きく動いた。午後5時の段階でサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)はマイナス7・28%の10万5405・5ポイント、ドルレアル相場は1・16%ドル高の1ドル=4・44レアルを付けていた。