サンパウロ市で21日~23日の2夜、リオで23~25日の2夜にかけて行われたカーニバルのパレード(デスフィーレ)で、ボルソナロ大統領や同政権の政策を批判する内容のものが相次ぎ、物議を醸している。22~5日現地紙、サイトが報じている。
カーニバルのデスフィーレで社会や政治を批判することは珍しくなく、今年は開催前からリオではかなり政治的なものとなるという噂はあがっていた。それはサンパウロ市も同様だった。
サンパウロ市のデスフィーレでは初日、23日の0時30分頃に登場したエスコーラ、トム・マイオールが、2018年に殺害されたマリエレ・フランコ・元リオ市議の大きな山車で登場。同氏を殺害したミリシア集団はボルソナロ一家とのつながりが囁かれている。
さらに、2日目(24日)の午前3時頃に登場したアギア・デ・オウロは「智識の力」と題したエンレドで、ブラジルを代表する世界的な教育者でボルソナロ政権が敵視しているパウロ・フレイレに捧げたパレードを披露。智識の持つ良い面と悪い面を対比したパレードでは、負の面の代表格として、「反戦反核」を主張する意図で原爆と原爆投下で苦しむ人々、きのこ雲が登場したが、一部で誤解を招き、抗議の声も起きた。アギアは今年、初優勝を飾った。
他方、リオはこれに輪をかけて痛烈だった。まず、21日に行われた2部のトップで登場したヴィガリオ・ジェラウが、大統領のあだなのピエロ「ボゾ」をかけた巨大な「ボゾナロ」の山車で登場。荒れるパレードを予感させた。
23日にはじまったスペシャルグループでは、それがさらに過熱した。初日はまず、ヴィラドウロが、「ブラジル最初のフェミニスト」に捧げたパレードを行った。
そして、昨年の優勝エスコーラ、マンゲイラは十字架に黒人で銃弾を浴びたイエス・キリストをかかげ、さらにパレードの歌詞で「メシアは手に銃など待たない」として、メシアスというミドル・ネームを持つボルソナロ氏を直接批判した。
さらに、2日目の24日は、トップのサンクレメンテのパレードにボルソナロ氏の風刺物真似で有名なコメディアン、マルセロ・アジネッチが登場。大統領に扮したアジネッチはボルソナロ氏が得意な腕立て伏せなどのパフォーマンスを真似、挑発した。
さらに、サルゲイロがブラジル最初の黒人ピエロを称え、ウニドス・ダ・チジュッカが環境問題を訴えた上、モシダーデもLGBTへの平等を訴えるなど、ボルソナロ氏の政治への批判を暗喩する内容で続いた。
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