【既報関連】18日夜に始まったセアラー州軍警ストが9日目を迎え、19~24日に同州で起きた殺人事件の犠牲者は170人に上るなど、深刻な影響が出ている。これを受け、州政府や州議会、司法の3権が収束に向けた交渉団を創る事などを決めたと26日付現地紙サイトが報じた。
セアラー州の軍警(消防士らも含む)によるストは、カミーロ・サンタナ知事が提案した給与調整案を不満とするグループが起こしたものだ。スト入りした軍警らは、覆面姿で軍警詰め所に入り込み、警察車両を破損したりした上、詰め所を占領して立てこもった。
同州軍警は2011年12月29日~12年1月4日にもストを決行。この時は7日間だったから、今回のストは既にそれを上回っている。
19日にはスト解除を呼びかけようとした元知事で休職上議のシジ・ゴメス氏が銃撃される事件も起き、サンタナ知事が国家治安部隊(FN)の派遣を要請。21日からはFNが任務に就いた。
セルジオ・モロ法相とアゼヴェド・エ・シウヴァ国防相、アンドレ・ルイス・メンドンサ総弁護庁長官は24日、サンタナ知事と共にフォルタレーザ大都市圏を上空から視察。モロ法相は視察後、「状況はコントロール出来ており、極度の混乱は起きていない」との見解を表明したが、この日も同州では23人が殺人事件の犠牲となった。
FN到着で治安悪化は改善されると見られていたが、19~24日に起きた殺人事件の犠牲者は170人に上り、124人の死者が出た11~12年のスト時を37%上回っている。最多は21日の37人、最少は20日の22人だが、いずれも、今年に入ってからの殺人事件の犠牲者の平均(5人)を大幅に上回っている。
スト参加者230人は25日から120日間更迭され、職務放棄やスト誘導などで逮捕された軍警は26日現在で47人に上る。
軍警と州政府との交渉は、州政府が懲罰免除はないとの姿勢を明確に示している事もあり難航。軍警側もスト中断の意思はなく、州政府と州議会、司法の3者は25日に交渉団創設を決めた。
交渉団のメンバー指名は26日で、交渉には同州検察局も参加。陸軍も立ち会う予定だ。
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