「この留学で嬉しかったことの一つは、日本の親戚に会えたことよ」。福島県が1月に実施した移住者子弟研修の途中で合流した県費留学生、チョイ・サンペイ・ステファニーさん(25、四世)はそう嬉しそうに笑った。いわき市の東日本国際大学にペルーから長期留学中だ。
親戚の存在を知ったのは以前、日本国籍を持つ祖母が戸籍謄本を取り寄せた時だった。「日本にいる三瓶家から送られてきて、親戚がいることを知った。それで私が福島県庁の国際課の方に戸籍を見せたの」。
ステファニーさんは、国際課の中村友徳主任主査、安田吉紀副主査、トビー・バークベックジョーンズ国際交流員に協力を仰ぎ、曾祖父の実家に親戚が住み続けていることを知った。
彼女の留学中、ペルーから祖母、母、妹が遊びに来た。その滞在中の1月4日に親戚との顔合わせが実現し、家系図を見せてもらい、ルーツの話を聞き、連絡先を交換した。「会うことはずっと望んでいたけど半ば諦めていた。会えたことで、自分のルーツを強く自覚できたし、日本と繋がっている感覚も強くなった」。
数十年も途絶えていた国境を超えた血縁の絆が、彼女の留学を機に復活した。
家族が日本に遊びに来る際、最初は色々な県に行く予定だったが、結局は大半を福島で過ごした。「春に訪れたいわき市フラワーセンター、津波の被害から徐々に復興している広野町の夏祭り、そして今回見た雪。福島は美しくて行きたい場所がたくさんあるし、自分のルーツがあることを誇りに思う」と目を輝かせていた。(有)