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《コロナウイルス》サンパウロ市株式が7%下落、続落傾向=パニック防止呼びかけるブラジル保健相=1ドル=4・5レアル直前へ

コロナウイルスの影響でレアルは対ドル最安値を更新し続けている(Jorge Araújo/Fotos Publicas)

 【既報関連】ブラジル初の新型コロナウイルス肺炎(COVID―19)患者発生が確認されたことなどを受け、サンパウロ市株式市場が大幅下落した。
 26日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、7%ダウンの10万5718・3ポイント(P)、為替も1・11%ドル高の1ドル=4・44レアルを付けた。下落傾向は27日も続き、同日午後5時の段階でIbovespaは10万5110・6P(0・6%ダウン)、1ドル=4・47(0・6%ドル高)をつけた。株式下落は世界的傾向だが、カーニバルで取引がなかったブラジルは下落幅が一層大きかった。
 他方、エンリケ・マンデッタ保健相は26日、「流行性の風邪に過ぎない。人類はこれまでもこうした伝染病を乗り越えてきた。調査や研究に投資し、正確な情報をしっかりと公表することで乗り越えられると確信している」と発言した。27日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
 保健相は、09年に流行した、H1N1ウイルスによる豚インフルの方がもっと深刻だったし、若者や妊婦に深刻な影響を与えていたと述べた。
 26日の正式発表で、ブラジルはコロナウイルス肺炎が確認されたラテンアメリカ諸国最初の国となった。世界中のコロナウイルス肺炎罹患者は26日の時点で8万1千人を超え、2700人以上が命を落としている。死者の約95%、2615人は湖北省で亡くなっている。
 保健相は、「感染者が出たことで、我々の警戒レベルはもちろん上がる。COVID―19が南半球の熱帯の国、しかも夏場にどのような影響を人々にもたらすか分析する必要がある」とも発言。「熱や咳が出ているなら、旅行は控えて欲しい。また、コロナウイルスの影響が出ている地域から帰伯し、熱や咳の症状があるなら、直ぐに医療機関に行って欲しい」としつつも、グローバル社会の今、国境閉鎖や特定の国の人々の入国を拒否することは現実的ではないとした。
 保健相はまた、コロナウイルス肺炎の致死率は2~3%と低く、死者の大半は高齢者や既往症があり、免疫能力が落ちている人であること、感染者のほとんどは軽症であることも強調した。
 会見にはサンパウロ州保健局長エンリケ・ジェルマン・フェレイラ氏も同席。今後、感染が疑われて検査対象となる人の数は増えるとの見解を示した。通常の風邪ならコロナ感染を確かめる検査はしないが、中国などの検査対象国から帰国したとか、帰国者と接触したという経歴が加わると検査対象になる。24日現在の対象国はイタリア、ドイツ、フランスなどが増え、16カ国となっている。
 ブラジル各紙・サイトは、基本的な感染予防策として、石鹸で頻繁に手を洗う。手をアルコールジェルで消毒する。目や耳、鼻などの顔の粘膜に触れない。咳やくしゃみをするときは手ではなく、ひじの内側や布で口を覆うなどを紹介している。
 なお、27日午後4時に行われた保健相定例会見では、コロナウイルス感染の疑いで検査中なのはサンパウロ州だけで85人とされた。なお、感染確認は1人のままだ。