一般財団法人・日伯協会(三野哲治理事長)が発行する会報『ブラジル』第986号が1月に発行された。中でも「ナショナリズムの表徴としてのカシャッサ」(田所清克京都外語大名誉教授)には感服。いわく《辞書や書物に当たると、実に700以上ものカシャサの同義語があることに驚かされる》とあり、具体的にポ語で「心を開くもの」「喧嘩の水」「小鳥が飲まない水」「聖者の小便」というものまであるとか。《言い得て妙なものがある一方で、中には滑稽なものや不味くなる名称もある》ともあり、確かにその通り。ブラジル中を探しても700通りもの愛称を持つ酒は他にないかも。カシャサ(ピンガ)という飲み物には「ブラジル人性」が蒸溜、凝縮されているようだ。