ボルソナロ大統領は27日、自身のネット上での生放送で、反連邦議会、反最高裁の抗議集会を呼びかけたことを否定し、議会やマスコミを責めた。しかし、抗議集会の呼びかけに関しては、事実と異なる発言を行った。28日付現地紙が報じている。
ボルソナロ氏は27日、自身が毎週行っているネットでの生放送で、25日に報道された、3月15日に行われる予定の反連邦議会、反最高裁のデモを呼びかけるビデオを拡散した、とされる疑惑を否定した。
「私は辞任もしないし、任期中、マスコミにも金は払わない」と大統領は語り、「あの報道の後、ほぼ全てのメディアが、私があのデモを支持するようなメッセージを送ったかの如く報じた。だが、送ったのは2015年に行われたデモのもので、送ったのも、ワッツアップで数10人規模の話だ」と続けた。
さらに、同件を最初に報じ、ビデオ2本を流したジャーナリストのヴェラ・マガリャンエス氏に対し、「ヴェラは嘘をついている。私が拡散したなどというビデオを流してみろ」と挑発した。
それを受け、ヴェラ氏はツイッターを通じ、ボルソナロ氏がワッツアップ内で拡散したビデオを3本流した。そのうちの1本には、2018年の大統領選期間中にボルソナロ氏が暴漢に刺された映像が含まれていた、また、別のビデオには、今年のカーニバルを過ごしたグアルジャでのバイク姿や、就任式の映像も含まれていた。
「2015年のデモのものなら、なぜ2018年の映像が収められているのか」と、ヴェラ氏は大統領の弁に矛盾があることを改めて指摘。エスタード紙も大統領が事実に反する発言でヴェラ氏を攻撃したことを嘆く声明を発表した。
この件はツイッター内で話題を呼び、「♯うそつきボルソナロ」は、翌28日にかけて、ツイッター上でもっとも多くあがったハッシュタグとなった。
今回の生放送の中で、ボルソナロ氏は「議会を尊重し、最高裁の判断には従う」と発言した一方で、「下院ではこの半年というもの、連邦政府による提案が進捗しない」と語り、支持者たちの前で議会批判を行った。
だが、大統領は、連邦政府が提出したどの提案を優先して審議してほしいのかの具体的な希望は口にしていない。連邦政府内では、パウロ・ゲデス経済相をはじめとする経済スタッフによる税制改革などの経済政策審議を急いでほしいとの声が上がっている状況だ。