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《ブラジル》2人目のコロナ感染者サンパウロ市で確認=擬似症患者は433人に=不安に駆られ病院に駆け込む人も

ブラジル保健省は連日会見を開き、国内のコロナウイルス感染状況に関する情報を流している。(Erasmo Salomão/ASCOM MS)

 【既報関連】ブラジル保健省は2月29日、国内2例目の新型コロナウイルス肺炎(COVID―19)感染者を確認した。また、2日午後1時の時点で感染の疑いがあり、検査中の擬似症患者は、国内に433人いると、2月29日~2日付現地各紙・サイトが報じた。

 国内2番目の感染者は、2月27日にイタリアから帰国した32歳のブラジル人男性だ。この男性も最初の感染確認者と同様に、サンパウロ市西部のイスラエリタ・アルベルト・アインシュタイン病院で診察を受けたが、症状が軽いため、入院はしなかった。男性は妻と一緒にイタリアのミラノに旅行し、帰国した。
 ミラノ市は、イタリア国内でも最も感染状況の深刻な、ロンバルディア州の州都だ。妻の感染は確認されていないが、2人に対し、自宅療養措置が取られている。
 2月26日に感染が確認された61歳の男性と今回の32歳の男性は、共にイタリアで感染した可能性が高く、ブラジル保健省は、国内で人から人への感染が起こった証拠はないとの立場だ。
 また、2日付ニュースサイトは、2人目の感染患者は、大手投資顧問会社XPインヴェスチメントの社員であると報じた。同社は1日の内に、日本や中国、韓国、イタリアなど、ブラジル政府の指定するコロナウイルスの警戒対象国から帰国した社員は、2週間、自宅で勤務するようにと指示するメールを送付している。
 2日現在の国内の擬似症患者は433人で、感染の疑いなしとされた人も162人いる。擬似症患者の内、163人がサンパウロ州在住で、リオ・グランデ・ド・スル州73人、ミナス州48人 、リオ州42人、サンタカタリーナ州36人と、南東部、南部在住の擬似症患者が多い。
 この状況下、南東部4州と南部3州の知事は、重症肺炎患者に対応するための病床を増やすため、10億レアルの援助を連邦政府に対して要請する構えだ。
 各州の保健行政担当機関は警戒を強めており、コロナウイルスの感染状況が悪化した場合は、病床数を確保するために、自宅診療を行ったり、治療や手術をキャンセルする可能性も僅かながらあるとしている。
 また、コロナ関連の報道で不安を煽られ、意識過敏になった人々が、風邪の症状さえ出ていないのに、「息子の友人が最近イタリアから帰ってきた」「カーニバルの最中にイタリア人とキスした」などと主張し、コロナウイルスに感染していないかと検査を求める例も増えているという。
 アルベルト・アインシュタイン病院の感染病学者ルイス・カマルゴ氏は、「風邪の症状さえ出ていない状態でコロナウイルスの検査をするのは意味がない。陽性反応が出ても、経過観察と拡大感染を防ぐ指示をする位しかできない」と語る。