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《コロナウイルス》ブラジル国内の感染者は8人に=感染疑いで検査中は6百人超=無症状感染者や国内感染も確認

エンリケ・マンデッタ保健相(ブラジル保健省より)

 【既報関連】ブラジル保健省、サンパウロ州とサンパウロ市の保健局は4日、国内3例目の新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の感染患者を確認。さらにもう1人、13歳の女子が1回目の検査で陽性と出て、再確認中であることを発表した。5日午前中にはこの女子も感染者であることが確認されたが、同日午後の保健省の会見では、感染者は合計8人に膨れ上がったと報告された。5日付現地各紙・サイトが報じている。

 4日に感染が確認されたのはサンパウロ市在住のコロンビア人(46)だ。この男性は、イタリアなど欧州を旅行し、2月29日にサンパウロ市に戻った。せきや喉と頭の痛みを訴え、4日にサンパウロ市西部のイスラエリタ・アルベルト・アインシュタイン病院で診察を受け、感染が確認された。
 5日朝、感染が確認されたのは13歳の女子だ。この女子は2月に北イタリアの東アルプス、ドロミーティ地方の病院にひざの手術のために入院していた。風邪の症状は出ていないが、2日にサンパウロ市中央部ポルトガル慈善病院でコロナ感染検査を受け、4日に陽性と確認された。5日にはアドルフォ・ルッツ研究所での再検査でも陽性との判定が出た。
 エンリケ・マンデッタ保健相は5日朝、「女の子の例は例外。ブラジルの公立病院では、あくまで、警戒対象国を旅行した経歴があり、風邪の症状が出ている人だけを検査する」と述べた。
 同段階での保健省は、女の子の例に関し、「検査では陽性だが、症状が出ていないため、感染者数に加えない」としていたが、その後、世界保健機関(WHO)の「症状が出ていなくとも、検査で陽性反応が出た場合は感染者とする」との方針に従い、4人目の感染者と認定した。認定理由は、「検査での陽性反応」「イタリア渡航歴」「ひざの治療後の投薬が症状を抑えた可能性がある」「今後数日の内に発症する可能性がある」の4要因だ。彼女は初の無症状の感染例となる。
 既に感染が確認されていた2人と合わせた4人は症状が軽く、自宅隔離措置が取られている。
 他方、保健省は5日午後、感染者が8人に増え、6人がサンパウロ州在住者で、1人がリオ州在住、もう1人がエスピリトサント州在住と発表した。検査中の擬似症患者は635人で、378人が検査の結果、感染なしとされている。検査中の数を州別に見ると、サンパウロ州が182人でトップで、以下、リオ・グランデ・ド・スル州(104人)、ミナス州(80人)、リオ州(79人)と続く。
 保健省は、コロナウイルス感染警戒対象国を31カ国に増やしている。警戒対象国は、世界保健機関(WHO)により、国内感染が確認された国々だ。ブラジルに入る前の直近14日間で警戒対象国に滞在歴があり、風邪のような症状が出ている場合は、「感染の疑いあり」とされる。
 ブラジルでは4日まで国内感染者は確認されていなかったが、5日午後の会見では、5日に新たに確認された患者の内2人は、2月26日に感染が確認された男性の親族で、外国旅行歴がなく、男性から感染した国内感染者だと報告された。