ブラジル国税庁(正式名称は国税庁特別局)管轄の、国庫担当局長マンスエト・アルメイダ氏は5日、「ブラジルの経済成長のペースはとても遅く、社会全体に不満がたまっている」と発言した。
この発言はブラジリアで行われたイベントでのもので、「ブラジルはまだ困難が山積みだ。もし誰かが、『落ち着いて眠れますか』と質問してきたとしたら、私の答えは『いいえ、全く落ち着いてなんか眠れません』だ。私は心配でたまらない。それは国の経済成長が遅々として進まないからだ。ブラジルのような新興国のGDP成長率が1%そこそこなんてことは普通じゃない。この国にはまだ、最低限の生活レベルに達していない人が沢山いるし、社会格差がとても大きい。それなのに国全体の経済成長率が1%しかないんじゃ、様々な階層の人々の間でフラストレーションがたまっても当然だ」というものだ。
インタビューの中でアルメイダ局長は、「19年のGDP成長率は1・1%だった。15、16年に3%以上のマイナスを連続で記録した後、やっと成長軌道に乗ったと思ったのに、成長率が1%そこそこでは、15~16年のマイナス分を取り返せない」とした。
マンスエト局長は、昨今のコロナウイルスによるパニックで、世界中の経済機関が、2020年は世界規模で経済成長ペースが小さくなると予想していることに触れ、世界規模での経済停滞はブラジル経済にも大きく影響すると発言した。
「世界経済が低調だと、当然ながら、ブラジル経済も影響を受ける。ブラジルの生産性を高め、もっと成長できるようにするには、税制や行政機構の改革を進めなくてはいけない」と語る。
マンスエト局長はまた、「国の成長を牽引するのは民間投資」と語ったが、ブラジルの現在の高い税負担により、公共投資の余地はもっとあるはずだ。
同局長は、「政府が行おうとしている財政の健全化は、ただ節約するだけではなく、公共部門が持続可能な方法で投資する能力を生み出すことを目的としている」とも語った。(5日付アジェンシアブラジルより)
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