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《ブラジル》女性殺人が7・3%増加=殺人された女性総数は減少も

男性からの暴行におびえる女性(Marcos Santosu/USP)

 全国の殺人事件などのデータを解析した結果、19年の女性殺人(女性であるが故に殺された事件)の犠牲者は前年比で7・3%増えた事がわかったと5、6日付現地紙サイトが報じた。
 ブラジル治安フォーラムのデータによると、ブラジルの殺人事件は減少傾向にあり、19年の殺人事件の犠牲者は前年比で19%減った。
 また、女性殺人か否かを区別せず、単純に女性が殺害された数を見ると、19年は3739人で、18年の4353人より14%減った。17年の4558人と比べれば、18%の減少だ。
 だが、女性であるという事で殺された女性殺人の犠牲者と殺害された女性に占める割合は、17年の1046人(22・9%)以降、18年1225人(28・1%)、19年1314人(35・1%)と増え続けている。19年の犠牲者は前年比で7%増えた。
 10万人あたりの殺人事件犠牲者数(殺人発生率)を女性に限定してみると、発生率が最も高いのは、10万人あたり7人のアクレ州で、最も低いのは、10万人あたり1・9人のサンパウロ州だった。
 他方、これを女性殺人に限ってみると、発生率が最も高いのは、アクレ州とアラゴアス州の10万人あたり2・5人で、最も低いのは、アマゾナス州とトカンチンス州の10万人あたり0・6人だった。
 19年の場合、殺害された女性の数は8州で増えただけだが、女性殺人の犠牲者は、16州で増えたという。
 家庭内暴力や、失恋や離婚が受け入れられない相手に狙われたりして起きた女性殺人は、15年3月の法改正で厳罰化されたが、女性殺人の犠牲者は増える一方だ。
 一般の殺人事件や殺害された女性の数は減っているのに女性殺人が増えており、殺害された女性に占める女性殺人の犠牲者の割合も増している事は、女性殺人がより厳密に区別されるようになった故でもある。
 リオ州で陪審裁判の対象になった女性殺人107件の犠牲者は21~40歳で、夜か未明に殺された例が73%、72%は自宅で殺された。使われた道具は刃物44%、銃17%だった。関係終焉を受け止められない事が原因で起きた事件は33%だったという。