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《ブラジル》GDP成長予測が2%割る=昨年の不調と新型ウイルス影響し

経済活動の活性化が望まれる昨今だが…(Agencia Brasil)

 ブラジルの金融・市場関係者を対象とする経済動向調査で、2020年の国内総生産(GDP)の成長予測が初めて2%を割った。
 ブラジル中銀が集計する経済動向予測「フォーカス」最新版によると、今年のGDP成長予測は1・99%で、2・17%だった前回予測を0・18%ポイント下回った。
 今年のGDP成長予測が下方修正されるのは4週連続だが、2%を割ったのは初めてだ。
 今回の成長予想が下方修正されたのは、2019年のGDP成長率が、期待値を下回る1・1%で終った事と、新型コロナウイルスの蔓延がもたらす世界経済の冷え込みが原因とされている。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、世界的なリセッション(景気後退)の予測にもつながっており、ブラジル国内でも、製造業などに影響が出ている。
 ただし、2021~23年のGDP成長率予測は、これまで通り、2・5%で据え置かれた。
 今年のインフレに関する予測は、3・19%が3・20%に若干、上方修正され、下方修正の連続が断ち切られた。それでも、政府目標の中央値4%よりは低率で抑えられている。政府目標は上下1・5%ポイントの幅があり、2・5%~5・5%となっている。
 来年のインフレ率の予測は政府目標の中央値3・75%のまま、据え置かれている。2022~23年も、政府目標の中央値(3・5%)のまま、据え置かれている。
 経済基本金利(Selic)は、今年末まで現行の年4・25%で据え置かれるとの予想が出ているが、来年末の予測金利は、5・75%から5・50%に下方修正された。22~23年の予測は6・5%で変っていない。
 為替は最近、とみに動きが激しいが、今年末の為替レートに関する予測は、1ドル=4・20レアルで据え置かれた。来年末のレートの予測は、1ドル=4・15レアルから、4・20%に上方修正された。
 貿易収支の予測は、今年末の黒字額が、367億ドルから364億ドルに下方修正された。来年末の黒字予測は、339億1千万ドルから340億ドルに引き上げられた。
 生産活動のための外国投資に関する予測も、今年末は800億ドルで据え置かれたが、来年末は840億5千万ドルが、845億ドルに引き上げられた。(9日付G1サイト、同アジェンシア・ブラジルより)