【既報関連】ブラジル保健省は9日、これまではイタリアなど、感染警戒対象国への渡航歴があり、風邪の症状が出ている人だけに新型コロナウイルス(COVID―19)の感染検査を行っていたが、今後は重症の風邪で入院が必要と診断された患者にも検査を行うと発表した。10日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
保健省はまた、インフルエンザや通常の風邪で公共の医療機関を訪ねたが、COVID―19以外のウイルスの感染検査の結果は陰性だった人にも、新型コロナの感染検査を行うことを決めた。
コロナ検査の対象となる「重症の風邪」の定義としては、「呼吸困難」や「指先が青くなる」などが定められた。このような症状が出て入院が必要とされた場合は、全ての病院でコロナウイルス感染検査が行われる。
重症の風邪ではなく、他の感染症検査では陰性反応が出たが、コロナ感染検査を行う場合は、国内に114ある、インフルエンザ対応の治療室を持つ医療施設で検査が行われる。
保健省はまた、昨年から行っていた、公共医療機関の診療時間を拡大する「サウージ・ナ・オーラ2・0計画」をさらに推し進めることも発表した。これは、現状では週40時間の診療時間を60時間に増やすことが目的だ。
政府は、各公共医療機関の医療体制を整えるため、医療機関ごとに1万5千レアルの追加予算を付けることも発表した。ただし、この施策には、市長の承認が必要だ。
また、保健省は、今週中にも「マイス・メジコス」で5千人の医師を増員する計画を発表する。増員された医師らは、各州州都や都市の中心部など、コロナウイルスの感染拡大の危険性が他より高い地域で活動する。
連邦政府はまた、今月23日から前倒しで行うインフルエンザワクチン接種キャンペーンでは、60歳以上の高齢者と医療分野の労働者を最優先することも決定した。
教師や治安関係、災害救助関係職員、慢性疾患の患者を対象にしたキャンペーン第2弾は4月16日から、6カ月以上~6歳未満の子供、55~59歳の人、妊婦、出産後45日以内の女性、先住民、刑務所職員などを対象としたキャンペーンは5月9日(土)から始まる。5月9日は、ワクチン接種を全国的に呼びかけ、平日は接種を受けにくい人も接種を受けられるXデーに指定されている。
10日の保健省の発表では、国内のコロナウイルス感染確認者数は、9日までの連邦直轄区(DF)とその他6州25人から、9人増えてDFと7州34人となった。
10日に新たに感染者リストに加えられたのは、リオ州5人、サンパウロ州3人、リオ・グランデ・ド・スル州1人だ。また、擬似症で検査中は893人、検査の結果、感染なしとされたのは780人となった。