サンパウロ市西部ピニェイロスの幼稚園、カーザ・ダ・ヴォヴォーの経営者で、園長も務めるネレイデ・トレンチーノ氏(40)と同園元コーディネーターのアナ・レジーナ・トーマス氏(32)に園児虐待疑惑が浮上。サンパウロ市警が調査に当たっていると、10日付地元紙などが報じた。
同園の元保育士や保護者らは、園長らは子供の髪や耳、腕を引っ張ったりしていた上、言葉による虐待も加えていたとしている。また、園児の中には、寝つきが悪いという理由で別の部屋に放置され、泣きながら過ごした子供もいたとの供述なども出ている。園長は嫌疑を否定しているが、保護者たちが訴えたため、コーディネーターを解雇した。
ことが明るみに出たのは2月はじめ、保育士2人が解雇処分にされた直後だ。解雇された保育士たちは園外で保護者を待ち、「子供たちが虐待されている」と告げた。
地元紙が10人の保護者に聞いたところでは、虐待は本当だったと信じる親と、解雇を恨んだ保育士たちのでっち上げとする親がいた。地元紙は2018~20年に同園で勤務した保育士や実習生、計6人にインタビューしたが、全員が虐待行為があったと語っている。
同園には100人の園児が通っていたが、多くは疑惑発覚後に園を離れ、今は50人だ。
解雇され、虐待を告発した元保育士2人は、虐待を受けた園児の名を明らかにした動画を撮影。この動画で名前が出た園児の両親は園を訴えており、現在はサンパウロ市第14警察署が調査に当たっている。同署には先週、少なくとも23人の子供が虐待されていたことを示す書類も提出されている。
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