18年3月14日夜、リオ市で起きた、マリエレ・フランコ市議と運転手のアンデルソン・ゴメス氏殺害事件の実行犯2人が陪審裁判にかけられる事になったと10日付現地紙・サイトが報じた。
リオ州地裁のグスターヴォ・ゴメス・カリル判事が10日に明らかにしたもので、陪審裁の日取りは未定だ。
マリエレ氏らの殺害事件は、黒人青年を対象とする集会から帰宅中の市議の車を、集会所前から追跡して来た車が追い越しざまに銃撃するという形で起きた。後部座席右側に座っていたマリエレ氏は頭部に4発、アンデルソン氏も背後から3発を受けて即死した。
後部座席左側に座っていた市議秘書のフェルナンダ・シャヴェス氏は破片で負傷しただけで済んだが、精神的なショックと安全確保の意味で、国外に出る必要に駆られた(既に帰国している)。
実行犯として逮捕されたのは、退役軍警のロニー・レッサ容疑者と元軍警のヴィエイラ・デ・ケイロス容疑者だ。レッサ容疑者は射撃、ケイロス容疑者は車の運転を担当していたとされているが、本人達は現在も容疑を否定している。
二人の逮捕はあと2日で事件発生から1年となる19年3月12日で、現在はロンドニア州ポルト・ヴェーリョの連邦刑務所に収容されている。
陪審裁実施判決は、あと2日で逮捕から丸1年というタイミングで下った。容疑者2人は、陳腐な理由で殺害を計画、武装して待ち伏せた上、防衛の機会を与えずに殺したとして、殺人事件2件の被告となっている。
マリエレ氏の未亡人のモニカ・ベニシオ氏は陪審裁実施決定後、「マリエレ達の死に関する正義の戦いにとり、重要な一歩。遺族達の2年にわたる苦しみは、犯人達が裁きを受ける事もなく、のんきに過ごしている事でより大きくなっていた。裁判で二人が戻ってくる訳ではないが、全ての関係者が裁きを受ける日の事を考えると、ささやかな平安が戻ってくる」とコメント。犯行の動機や首謀者解明の必要性を説き、「この件を放置したままでは、民主主義は語れない」とも語った。
マリエレ氏の姉妹のアニエレ・フランコ氏は、2周忌を迎える前に陪審裁実施が決まった事を喜び、「新しいプロセスの第一歩」と語った。
捜査関係者達は、陪審裁は今月末に行われると見ているようだ。