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山形県人会=新会長、佐藤マリオさんに=会長交代あいさつで来社

来社したみなさん

 山形県人会は先月2日に同会館で定期総会を行い、5年間会長を務めた篠原俊巳さんが退任し、第一副会長だった佐藤マリオさん(63)が昇格した。挨拶のために豊田豊名誉顧問、佐藤マリオ会長、鈴木源治第一副会長、斉藤第二副会長、寒河江(さがえ)フェルナンド・フェレイラ・ラモス第三副会長、が先月28日に来社した。
 佐藤新会長は「若い人の新しいアイデアややり方をどんどん取り入れたい。若い人の提案を頭ごなしに否定せず、むしろ後押しできる組織作りをしていく」と世代交代や活性化への意気込みを語った。
 佐藤さんは日系三世でで、パラナ州マリンガ市生まれ。祖父は山形県遊佐町(ゆざまち)出身の戦前移民だ。三世になると日本語ができない人も多いが、佐藤さんは県費研修の経験もあり、日本語の読み書きまでできる稀な人材。山形銀行で銀行業務並びに日本語を9カ月間研修し、東京都の富士銀行で2カ月間研修をした。
 その後は様々な経歴を経て1999年にコンサルティング会社設立、18年よりサンタクルス病院第一副理事長に就任していた。
 昨年9月にはサンタクルス病院の医師や幹部らと共に、山形大学医学部の東日本重粒子センターを視察するなど現在も山形県との交流が深い。
 名誉顧問の豊田豊(とよたゆたか)さんは「荒木克弥会長時代から県人会に若い人が来なくてはダメだと言ってきた。日本との交流も深めながら、県人会をひっぱって行ってほしい」と新会長への期待を語った。


□関連コラム□大耳小耳

 サンタクルス病院一行が視察した山形大学医学部・東日本重粒子センターは、現在開設準備中の最先端医療施設。がん細胞をピンポイントで治療する重粒子線がん治療装置が備わっており、今年10月頃に稼動予定。このがん治療装置の特徴は、痛みが少なく治療期間も数日から5週間と患者への負担が少ない点。従来の放射線治療では難しかった癌にも対応できるという。この施設は山形市と連携し、海外からの治療ツーリズム受入れ体制の整備をすすめているようで、そう遠くない将来「がん治療がてらに山形観光してくるね」なんて事がブラジルからも見られるかもしれない。