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ブラジル株続落=約11年半ぶりに取引停止が1日2回=今週4回目のサーキットブレーカー=年初水準からは37%の下落=為替も一時1ドル=5レ水準に

12日の取引開始早々にサーキットブレーカーが発動したことを伝えるブラジルのニュースサイト

 【既報関連】11日に今週2度目のサーキットブレーカー(30分間取引中断措置)が出た翌12日、ブラジル株は午前10時半に10%ダウンし、第1回目(週3回目)のサーキットブレーカー発動となった。さらに、取引再開40分後の午前11時12分にも、下げ幅が15・43%に達し、第2回目(週4回目)のサーキットブレーカーが出たと、同日付現地紙・サイトが報じている。

 1日2度のサーキットブレーカー発動は、2008年10月6日以来、およそ11年5カ月ぶりのことで、1週間に4回のサーキットブレーカーは史上初だ。
 11日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、前日比7・63%ダウンの8万5171ポイント(P)で取引を終えていた。
 11日のブラジル市場が閉じた後、12日に取引が再開されるまでに、世界の経済情勢は、米国株安(ダウ平均5・8%安)や、日本株安(日経平均4・41%安)、欧州株安(ドイツ12・2%安、フランス12・2%安、ロンドン10・8%安)と、主要株式市場が全面安だった。
 また、11日夜にはトランプ米大統領による、「13日から30日間、欧州シェンゲン協定加盟国に過去14日間滞在した外国人の入国禁止表明」も出ており、ブラジリア時間12日午前10時からの市場は大幅下落でスタートした。
 ブラジル株は、1日で10%下がると、1回目のサーキットブレーカー発動となり、取引が30分間中断する。さらに、下げ幅が15%に達すると、2回目のサーキットブレーカーが発動され、1時間中断となる。下げ幅が20%に達すると、サンパウロ市証券商品先物取引市場は3回目のサーキットブレーカーを宣言できる。この場合の中断期間は市場側が決める。
 12日は、米国市場S&P500も前日比7%下落してサーキットブレーカー発動(15分取引停止)となった。米国市場も9日に続き、1週間で2回目のサーキットブレーカー発動だった。
 12日午後5時現在のIbovespaは、15・1%安の7万2269・7Pだった。主要銘柄では、ペトロブラス(優先株)が19・6%、航空大手のアズール社が32・8%、小売大手のマガジン・ルイーザが20・1%、いずれも前日比減を記録した。
 Ibovespaは、年初の11万5645・3Pから比べると、今年に入ってからの累積マイナスは37・5%だ。
 また、為替も大きく動いた。11日は1・62%ドル高の1ドル=4・722レアルでひけたが、12日は取引開始早々に1ドル=5レアルラインを突破、その後、若干持ち直し、午後5時現在では1ドル=4・786レアルだった。
 パウロ・ゲデス経済相は12日、「ブラジルは一時的に、新型コロナウイルスによるショックを受けるが、それはやがて去る」と発言。あくまで財政改革や行政改革で経済を建て直す意向で、財政出動などの施策を行う姿勢は示さなかった。