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松田明美さん=「おもてなし」日本語講座=SC病院第3期生が卒業式

卒業証書を手にした第3期卒業生と講師の松田明美さん(写真:望月二郎)

 サンパウロ市サンタクルス病院(石川レナト理事長)が先月12日、職員を対象とした「おもてなし」日本語講座第3期生卒業式を別館講堂にて行った。昨年10月から週2回受講した衛生課、厨房職員、警護課等の34人が修了し、27人に卒業証書が授与された。
 この講座は「おもてなし」をテーマに、日本語だけでなく日本文化や日本式の応対を知ってもらうため、同病院が昨年8月から開始した。講師は『ブラジルかわいい大使』松田明美さん。
 卒業式では卒業生が6つのグループに分かれ、自分達が考える「おもてなしとは何か」を日本語で発表。〝思いやり〟〝周りを大切にする心〟や〝痛みを共感すること〟など様々な表現した。
 盛り上げる余興として「お箸選手権」も。各7人の4チームで1分間に豆をお箸でつまんでコップに入れた数を競った。大豆でなく、あえてフェジョン豆を使用した。
 最後は一人一人に卒業証書が手渡され、「上を向いて歩こう」を卒業生が日本語で合唱して終了となった。
 列席した同病院脳外科医の西国幸四郎さん(59、大阪府)は、「元は日本の援助で創立された病院であり、日本の文化や歴史、フィロゾフィーを職員にも知ってもらった上で、患者さんに対応してもらいたいという理事長の思いから実現した講座。日本のマナーや和食等、文化的な事も発信していける病院でありたい」と語っていた。
 卒業生の1人、厨房に7年勤めるジスライニ・アルベス・マリンニョさん(46、サンパウロ市)は「日本語を学ぶことよりも、おもてなしを学んだことが勉強になった。患者に対応する時の気持ちが変わった」と語り、授業の成果を感じていた。
 エレベーターオペレーターで、患者さんと接する機会が一番多いデイソン・ダ・シルバ・コスタさん(40・マナウス)は、授業を受ける前後で全く変わったと言う。「仕事の時だけでなく、家の外や自分の周りでも、年配の方に対する気遣い等をするようになった」とおもてなしの精神が身に付いたという。
 「この講座を受講して『おもてなし』の心を掴んだ」と語るのは、第2期卒業生で病院運営課部長のテルマ・コレア・マチアスさん(62、サンパウロ市)。「受講していない人も影響され、みんなが一つになって働けるようになってきた」と笑顔で語っていた。
 次の4期生は医師。忙しい合間をぬって、約3カ月週2回おもてなし日本語講座を受講する。