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ブラジル株6日で5度目のストップ安=開始24分で12%ダウン=レアル安進行史上初、ドル終値5レアル超

パウロ・ゲデス経済相(World Economic Forum/Ciaran McCrickard)

 【既報関連】新型コロナウイルスショックによる、株安レアル安が止まらない。
 先週5日間の取引で、株価急落による取引中断措置(サーキットブレーカー)発動が4回も起きたブラジル株式市場は、週明けの16日も、取引開始早々24分で12%の下落を記録。6取引日で5回目という、超異例の頻度でサーキットブレーカー発動となった。
 8万2564・8ポイント(P)で始まった、サンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、取引開始24分後の10時24分に7万2321・9Pまで下落(12・5%ダウン)し、1回目のサーキットブレーカーとなった。株価は一時、2回目のサーキットブレーカー発動となる水準の15%ダウンぎりぎりの14%まで落ちたが、その後やや持ち直し、午後5時現在は7万1859・9P(13・1%ダウン)をつけた。
 16日の相場は、週末に米国やドイツ、スペイン、アルゼンチンなどの世界各国がとった入国禁止措置や国境封鎖措置の影響を受け、航空会社、旅行会社を中心に大きく下げた。午後4時の時点で、アズール航空は35・7%、ゴル航空は27・5%、旅行代理店のCVCは28・1%ダウンだった。
 16日は為替相場も大きく動いた。
 米国の連邦準備理事会(FRB)は15日に緊急会合を開き、政策金利を、年利1~1・25%から、0~0・25%に引き下げた。これには、副次的作用として、ブラジルなどの新興国通貨の下落を抑える効果があるはずだった。
 にも関わらず、16日のドル/レアル相場はドル高傾向が続いた。先週末は1ドル=4・81レアルで引けたが、16日は常に1ドル=4・9レアル以上をキープ。午後5時には1ドル=5・05レ(4・91%高)までドル高が進んだ。
 コロナショックが進んでも、パウロ・ゲデス経済相は、「税制改革、行政改革を素早く行わねば」とだけ繰り返し、即効性のある経済活性化策を出せずにいた。
 ロドリゴ・マイア下院議長(DEM)はそんな経済相に対し、「役立たず」などの厳しい批判を行ったが、ゲデス氏は13日、「経済省は注意深く経済情勢をチェックしている。コロナ危機が悪化した場合、積極的かつ強力な手段を採用する用意があり、いくつかもうすぐ発表する予定」とブラジルのニュースサイトに語った。
 最初に救済されると予想されるのは、すでに国際便が70%、国内便が30%削減されている航空業界だ。航空各社は連邦税の支払いを今後3~4カ月先延ばしされると見られている。空港管理者も落札時に約束した毎月の支払いを先延ばしすることが認められる上、業界向けの融資増額への準備も進められている。