ホーム | ブラジル国内ニュース | 《サンパウロ州》5刑務所で暴動と脱走発生=外出取り消しに怒り1千人超脱獄

《サンパウロ州》5刑務所で暴動と脱走発生=外出取り消しに怒り1千人超脱獄

コロナショックは刑務所管理体制にも影響している(参考画像・Thathiana Gurgel/DPRJ)

 サンパウロ州内の五つの刑務所で16日午後、囚人たちに与えられるはずだったパスコアに伴う一時出所の権利が、新型コロナウイルス感染拡大予防のために停止されたことで暴動が発生。無数の囚人たちが脱獄したが、17日午後3時の時点で577人が再び捕らえられたと、17日付現地紙・サイトが報じている。
 暴動が発生したのは、モンガグアー、トレメンベー、ポルト・フェリス、ミランドポリス、スマレーの5刑務所で、ミランドポリス以外の刑務所では脱獄も発生した。サンパウロ州刑務所管理局(SAP)は17日午後3時現在で最低で1393人が脱獄したとしている。
 16日夜の時点では、「少なくとも400人が脱獄。正式な人数は不明」との報道が出ていたが、一夜明けてみれば、再び捕まった人数だけで500人を超えていた。
 モンガグアーは577人の脱走者中184人、トレメンベーは218人中108人、ポルト・フェリスは594人中281人、スマレーは4人全員が、再び捕まった。
 SAPは「暴動が起きた棟は全て、セミアベルト措置(平日の昼間に外出可能)の囚人専用だった。セミアベルト囚には、年に5回の一時出所の権利が与えられている」と書面で発表した。
 SAPはまた、5カ所の刑務所では3万4千人以上が一時出所する予定だったが、新型コロナウイルス蔓延により、彼らを出所させると、戻ってきた後に刑務所内で感染症が広がってしまう懸念があり、一時出所措置が延期されたと説明した。
 サンパウロ州沿岸部のモンガグアー市は16日夜、事件を遺憾に思い、17日は保育所と市立校の授業を停止すると発表した。
 法務省は16日、全国刑務所管理局(Depen)を通して、全国各所の連邦刑務所での囚人への面会を15日間中断すると発表した。この措置も、新型コロナウイルスが刑務所内で蔓延することを予防する目的だ。また、連邦直轄区と九つの州が管理する刑務所でも同様の措置がとられた。
 Depenはまた、5日間の期限付で、緊急時を除き、連邦刑務所内での弁護士接見を中断することも発表した。
る(PBH)