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WHO=コロナ検査の拡大適用を要請=「簡単ではない」とブラジル保健省

感染者急増に備え、病床の確保が進んでいる(PBH)

 【既報関連】ブラジル保健省は、世界保健機関(WHO)の勧めに従い、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の検査条件を拡大し、今より多くの人々を検査することを検討していると、17日付ブラジル紙が報じた。
 ブラジルは現在、重い風邪の症状があり、ウイルス蔓延国に滞在履歴があるか、滞在履歴がある人と接触した場合と、感染経路がもはや判明しないコミュニティ感染が起きている、サンパウロ州、リオ州、バイーア州在住者などを優先に感染検査をしていく方針をとっている。
 その理由は、検査にかかるコストが低くないことと、症状を訴える人全てを検査したら、医療システムが崩壊してしまう可能性があるからだ。
 しかし、WHOは16日、ブラジルに対し、検査を増やし、コロナに感染している可能性のある人は軽症でも自宅療養させることを勧めた。
 ブラジル政府は対応を検討している。
 WHOのテドロス・アダノム事務局長は、「WHOとして各国に要求したいのは、『検査、検査、また検査』だ。誰が感染しているかが分からなければ、感染拡大は止められない。無症状者だって14日間はうつすこともある」とした。
 ブラジル保健省健康監視局のワンデルソン・オリヴェイラ局長は、「WHOの要請に応えるのは簡単ではない。『最初の100件、その後はリスクの高い人に焦点をあてて検査しろ』と言ったのはWHOの方」と語る。
 ブラジル連邦政府は既に3万セットの検査キットを購入し、更に15万セットを発注しているが、検査拡大となれば、迅速に結果が出る外国製キットの購入も必要となる。