コロナウイルスによる災禍がサンパウロ州でも広がる中、ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)が、今年7月に予定していた第23回「日本祭り」(谷口ジョゼ実行委員長)を中止するとの決断を17日にした。今週、サンパウロ市行政は「非常事態宣言」を出し、サンパウロ州政府もイベント中止やショッピングセンター営業の一時停止などの緊急対処策を次々と発表する中、ついにブラジル日系社会最大の祭典、日本以外で最大級の日本文化イベントも中止に追い込まれた格好だ。
谷口実行委員長は電話取材に応え、「たとえ市役所が開催許可を出してくれたとしても、お客さんに来ていただけないと、日本文化普及イベントとしては意味がない。これから3カ月後にどうなるか分かりませんが、スポンサーや協力者の方に迷惑をかけるので、主催者としてはこれ以上決断を遅らせる訳にはいきませんでした。苦汁の選択でした」と辛い心情を吐露した。
最初は「12月までの間に延期開催する」という選択肢もあったが、会場は年末まで予定がいっぱいに入っており、今年後半に延期することは難しいという。今のところ、来年6~8月の間に再設定するしかないという。
中止する上で最大の問題は、県連がすでに会場運営会社エキスポ・サンパウロに支払っている150万レアルもの大金の扱いだ。「無駄にする訳にはいかない。すでに支払った分を次回に回せないか、現在交渉中。そんな大金がまるごと取り上げられるようなことになれば、県連は潰れてしまう。今その交渉をしている最中だ」とのこと。
実行委員会では正式通知を19日からネット上で公開。そこには「執行部にとってこの決断は大変難しいものだった。だが今は、来場者や協賛企業、ボランティア、協力者の皆さんの健康を第一に考える必要があり、大変デリケートな時期だ。日本祭りのような巨大なイベントは数多くの人々や団体を動員し、寄せられる支援や信頼に常に感謝している。皆さんには世界保険機関(WHO)が推奨に従って健康を維持して頂きたい。新しい開催日が決まり次第、すぐに連絡する」と書かれている。
問い合わせはEメール(secretaria@festivaldojapao.com)まで。