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《ブラジル》マンデッタ保健相が地方選の延期を提案=次期高等選挙裁長官は慎重論を示す

 【既報関連】ブラジルのエンリケ・マンデッタ保健相は22日、コロナウイルス災禍の拡大を食い止めるための行動が、選挙戦に関連した政治的な判断や行動によって妨げられることのないように、今年10月に予定されている統一地方選挙を延期すべきとの考えを示した。
 「私は選挙延期の可能性について、考え始めることを提案したい。状況を見れば、『市長、市議選は延期だ。今の市長と市議の任期を少し延ばして、コロナ対策に全力を注がせるべき』という結論になると思う。こんな重要な時期に選挙戦なんて、全く悲劇的だ」と保健相は語った。
 マンデッタ保健相は、各州都の市長たちとの電話カンファレンスの中で、パラー州保健局との連携が上手くいかないと訴える、ベレン市長(ゼナルド・コウチーニョ)に応える形で先の言葉を発した。
 地方選挙の延期については、最高裁(STF)判事にして、今年5月に高等選挙裁(TSE)長官に就任予定のロベルト・バローゾ判事が、「延期を実現させるには連邦憲法の改正が必要である」との声明を発表した。
 判事の声明には、「選挙を延期するかどうか、また延期するとしたら、いつ行うのかを決めるのは議会(立法府)の役割。議会がそう決めたなら、関係各所全てが協力して新しい日程での選挙実施に向けて動く。ただし、延期が認められるのは、選挙を安全に行うためには延期以外の道がないというケースに限られる。定期的な選挙を行うことは、民主主義において極めて重要な〝儀式〟なのだから」とも記されていた。
 他方、ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は、選挙延期の討論をとの考えは「完全に間違っている」と反発。現在は三権が一致してコロナ災禍に対応するべき時であり、選挙延期に関する議論を行うべき時ではないとの見解を表明した。