【既報関連】サンパウロ州全域では24日から外出禁止令(quarentena)が出されている。公共交通機関、薬局、病院、スーパー、パン屋、精肉店、ガソリンスタンド、銀行、清掃、警備、建設、工場、報道以外は営業できず、書店、雑貨店、旅行代理店、服飾店などは強制閉店だ。この措置は新型コロナウイルスの感染拡大を少しでも食い止めるための方策だが、23日に開催された記者会見で、サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は、「工場が停止すれば、サンパウロ州民、ブラジル国民が必要な製品の供給が崩壊する。工場は手を止めるな」と激を飛ばした。23、24日付各現地サイトが報じている。
ドリア知事は建設業にも言及し、「作業員たちも、基本的にはコロナ感染予防のための健康基準に従って欲しい。しかし、建設部門を停止することはできない。公共事業や、公共インフレの保守作業は中断できない」と述べた。
知事は、外出禁止令発令中も、タイヤ修理店と自動車整備工は営業を続けるように要請。さらに「サンパウロ州はブラジル最大の物資供給センターだから、州内交通を止めない意味で、各市長は、道路交通を制限しないことと、ガソリンスタンドの営業を止めないように協力して欲しい」と語った。
また、国際通貨基金(IMF)は23日、「コロナウイルス災禍による世界経済への悪影響は、2008年から09年にかけての世界金融危機よりも大きくなる可能性がある。世界経済の回復は2021年以降」との見解を示した。既に多くの国々では、 医療システムを強化し、コロナショックの影響を受ける企業や労働者を保護するために、特別な財政措置が実施されているが、 IMFのクリスタリーナ・ゲオルギエヴァ専務理事は、これら各国の対応に、肯定的な見方を示した。
IMFは緊急対策資金を拡大する準備があることと、80カ国がすでに支援を求めている事も同専務理事は明きらかにした。
調査機関「ダッタフォーリャ」は24日、ブラジル国民が、コロナウイルス災禍が経済に与える影響をどのように見ているかに関する調査結果を発表した。調査は電話聞き取り方式で、18日から20日に国内全地域の1558人を対象に行われた。誤差の範囲は3%ポイントだ。
「コロナウイルスはブラジル経済に影響するか」との質問に対しては、「大きく影響する」が79%、「少し影響する」が16%、「全く影響しない」が3%、「分からない」が3%だった。
「コロナウイルスはブラジル経済にどの位の期間、影響を与えるか」の質問には、「長期間影響する」が50%、「影響は短期間」が44%、「影響はない」が3%、「分からない」が4%だった。
「コロナウイルスは個人的な金回りにどの程度影響するか」の質問には、「長期間影響する」が28%、「影響は短期間」が45%、「影響はない」が24%、「分からない」が3%だった。
「コロナウイルスのせいで、今後数カ月間の所得は減少するか」の質問には「はい」が57%、「いいえ」が43%、「分からない」が0%だった。
「仕事がなくなり、収入が絶たれる心配があるか」の質問には、貧困層の60%が、富裕層の25%が「ある」と答えた。