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《ブラジル》コロナ禍=感染者数は2~3日で倍増=サンパウロ州や保健省が検査強化へ

 【既報関連】サンパウロ州のコロナ対策班コーディネーターのダヴィ・ウイッピ氏が新型コロナウイルスに感染している事が23日に判明、同州のジョアン・ドリア知事やサンパウロ市のブルーノ・コーヴァス市長らも検査を受けたと同日付現地紙サイトが報じた。
 ウイッピ氏が感染した可能性は23日の記者会見でドリア知事が言及。陽性であった事は同日夜、公表された。同氏は14日間の隔離状態に入っており、感染の事実を語るビデオも公開したが、ドリア知事やコーヴァス市長らは、24日に陰性と発表された。
 ウイッピ氏の感染はサンパウロ州や全国での感染拡大の実態を示す一例だ。ブラジルは州保健局や保健省への報告義務や検査のあり方などを決めたプロトコロの変更が遅れた事もあって、各州が保健省に報告する数字の中にも、死亡後に感染が確認された例も入っている。
 23日現在の州別感染者はサンパウロ州745人、リオ州233人で、セアラー州と連邦直轄区、ミナス州が100人を超えた。サンパウロ州は23日に114人、リオ州は147人の増加を見たが、リオ州の数字にはリオ市の約100人分が加算されるはずだ。
 ここ数日の動きを見ると、ブラジルでの感染者は2~3日で倍増している。これは、感染経路の特定が不能なコミュニティ感染が起きているためで、世界保健機関(WHO)が、最初の10万人感染には67日かかったが、次は11日、その次は4日と言っているのと流れを一にする。
 そういう意味で、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局の、検査を厳密化し、感染経路を追及する戦略を採るようにとの要請は非常に重要だ。
 サンパウロ州のドリア知事は23日、同州では27日以降、1日2千件の検査が実施できるようになると発表。サンパウロ総合大学ブタンタン研究所や同大と提携する17の研究所がこの体制を支える。
 また、サンパウロ市のクリニカス病院にコロナウイルスに感染した人用の病床を900床確保する事(コロナ用の新たな病床の総数は2300に)や、エミリオ・リバス、マンダキ、ヴィラ・ペンテアド、グアイナーゼス総合の5病院からなるコロナ患者用の医療機関網を創設した事も発表した。
 保健省も23日、感染拡大が加速化している事を鑑み、Vale社が寄贈した検査用資材500万キットの他に1千万キットの資材を購入し、医療関係者や高リスクの患者の検査を加速化する意向を表明。同省は、コロナウイルスの感染検査を全国で2290万件まで拡大する予定だ。
 これまでに配布した検査キットは3万件分で、WHOが言う「検査に次ぐ検査」は不可能だったが、従来の100万キットから230万キット、1千万キットと見通しを変更。新たな検査法承認もあり、検査数をさらに増やす方針を決めた。